2011年12月30日金曜日

☆本日のマニフェスト覚え書き☆


いよいよ仕事納め、というわけで
スケジュールの叩き台を作ったですよ12・13・14年度。

どう組み合わせても無茶な進行だが、がんばれ未来の自分。

来年の目標は
「量」

マニフェスト
「テスタメント完結」

マスト・ダイ
「光圀伝単行本化」
「もらい泣き単行本化」「天地明察文庫化」

といったラインナップに加えて
さらにプラスαをお届けする予定です。

映画「天地明察」と
劇場「マルドゥック第三部」も来年公開!

ヨロシクオネガイシマス(゜Д、゜)

2011年12月29日木曜日


☆本日の一枚とお知らせ☆


ファフナー・イベントおつかれさまでした!
出演陣のみなさまをはじめ、
舞台役者陣の人物ヂカラ、すごかったです。

ちょっとした会話にもアイディアが盛りだくさん。
総士と一騎と真矢が飲んだら誰が最初につぶれるか? など、
新鮮な視点をいただきました。

ますます広がるファフナー・ワールド!
今後ともどうぞよろしくお願いします!(゜Д、゜)


今日はこれからアンジェラさんのライブ!
さらに、26時25分よりニコニコ生放送にて
『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』配信です。


☆お知らせFromTwitter☆
昨晩売り切れてしまいました「皆城総士生誕祭」イベント記念セット、
若干数ですが只今追加分を通販ページにアップ致しました!
数に限りがございますので予めご了承ください。




2011年12月25日日曜日

☆本日のメリーMerry Christmas!☆

メリーChristmas is just around the corner.


お菓子の家が落成でござる(゜Д、゜)


ハロー、ジンジャーブレッドマン。


皆様が楽しい一日を過ごされますよう!

ウブカタはフツカヨイデス(゜Д、゜)

2011年12月24日土曜日

☆本日のメリークリマス・イブ☆


赤と緑はクリスマスカラー。

今日はお菓子の家を工作(つく)る予定!!(゜Д、゜)


2011年12月21日水曜日

☆本日の息抜き☆


かつて疲労困憊の極地にて冲方にモチベーション復活の呪文をもたらしたレゴ。

 かねてより入念に計画されていた「レゴでドラクエⅢ、アリアハン編」であったが、
着工後まもなく破壊神マイサンの侵入を許したことにより、
パーティの装備を奪われ、徒手空拳を余儀なくされるばかりか、
勇者があられもない姿にされてしまうのであった。



破壊神マイサンのみわざはとどまることを知らず、
ちょっと放置していたアリアハンは
いつしかパルプンテ級の増改築がなされ、
原型をとどめぬほどの想像の翼をはばたかせてゆく。
ラーミアよ空はお前のもの。
お前のものは俺のもの。

なお、突如として出現する扉の数々は盗賊の鍵で開くものと思われる。




2011年12月19日月曜日

☆本日の特報☆

映画『天地明察』の特報第一弾、来ました!
http://www.tenchi-meisatsu.jp/

キアイバッチリ(゜Д、゜)

先日の『年忘れサミット』にご参加いただきました皆様、ありがとうございます!
2011年を振り返りつつ、スニーカー担当の激しい差し込みがありつつ、『サミットHP』の準備など、来年に向けてますます盛り上って参りますので、どうぞよろしくお願いします!

2011年12月17日土曜日

☆本日のお知らせ&公募☆

●その一、「もらい泣き 募集の巻

集英社・小説すばる誌上にて三年間にわたり連載してきたコラム「もらい泣き」も、年内で最終回を迎え、2012年には連載分をまとめた一冊の書籍として刊行する予定です。
つきましては記念として、みなさまの「泣ける話」を募集いたします。
応募いただきましたお話は、書籍にまとめる際、「書き下ろし」として掲載されることになるでしょう。

注意点は下記の通りです。

1)応募期間:2011/12/17から2012/02/29まで
2)応募フォーム:末記にあるメールアドレスへ、電子メールにてお送り下さい。文字化け等を避けるため、できるだけテキスト形式でお願いいたします。
3)できるだけご自身の体験である「泣けてしまうお話」をお送り下さい。伝聞は著作権などの扱いが難しいため、採用できない可能性があります。
4)ご応募いただいたお話から冲方が選び、コラム形式で執筆させていただきます。
5)住所や氏名を付記する必要はありません。
6)採用させていただいた方には、サイン入り書籍「もらい泣き」をプレゼントしたいと思っておりますので、後日、住所と氏名をお尋ねするメールをお送りさせていただきます。
7)個人が特定されないよう、複数の体験談を合体したり、内容を一部変えることがあります。
8)ご応募いただいた時点で、著作権は放棄したものとして扱わせていただくことになります。
9)採用は、書籍刊行をもって発表させていただくとともに、ブログ等でも告知する予定です。

応募はこちらへ!!
towubukata@gmail.com

しばらく前から、ブログで公募しよう、というお話があったのですが今まで機会が持てずにおりました。
心に刻まれた思い出、秘めた思い、感謝のエピソードなど、ぜひご送付下さい!


●その二、「冲方サミットpresents  OPEN-冲方 年忘れサミット12/18
http://m-scramble.jp/combustion/

こちらで来年のマニフェストを発表せよとのお達し。
来年こそ、あれをするぞ、これをするぞ、と言ってしまうわけですな。

もはや守秘義務は忘却の彼方であり、
どこまで己の首を絞めるべきか悩むでござる(゜Д、゜)

2011年12月13日火曜日

☆映画『天地明察』 本日の撮影観測 その3☆
夏の終わりとともに無事に終了した撮影。いまだに見学したときの余韻が残っております。掲載しそこねた画像もたくさんあったりします。

リハーサルでは、監督の采配のもと、主演の岡田准一さんをはじめ、顔を合わせたばかりの役者陣がほんの僅かな時間で、そのシーンを創造してゆく。身動きのタイミング、会話を始めるときの緩急、かすかな表情の違いなど、まるで次々に「別人」が出現するかのようでした。
様々な人格のバリエーションが、監督の揺るがぬ演出の意志のもとで、そのシーンを創造するための最良の人格へと積み上げられてゆく。
その様は、執筆しながら人物造形の「あたり」をつけていくのと全く同じようでもあり、根本的に違う行為のようでもあって、いまだに何とも表現しがたい。

そして光。
江戸時代、屋内において、頭上から降り注ぐ光は、皆無といっていい。
電灯がないのだから、窓や行灯やろうそくなど、横や下から来る光が多い。
そういう、「その時代ならではの光」が、照明を担う人々の手で、本当に工夫されて創り上げられている。一朝一夕の工夫ではなく、時代劇というものが創造され、発展していく中で積み重ねられた、伝統芸と言うべき工夫であるのです。
まさに滝田監督とそのスタッフにしか創れない映画『天地明察』であり、結集した役者陣にしか生み出せない登場人物たちでありました。

「原作はあくまできっかけに過ぎず、独立した一つの名作が誕生しようとしている」
と断言できることが、とても嬉しいです。
この映画の誕生の場に立ち合えたことを、とても幸福に思います。

もっと観ていたかった! いやいや、早くスクリーンで観たい!
僕もあんなスタッフが欲しい! 光圀伝書かなきゃ! 
色んな心の叫びが噴出しつつ、撮影所を後にした次第でございます。



衝撃のモブ・デビュー。劇場で原作者を探せ!(゜Д、゜)

2011年12月12日月曜日

☆本日の一言☆

あ、送りますよ
早川書房・(塩)部長。先日来から、「なんで審査に作品が無償提供されないのよー」と冲方がごねていた件で。
事情を整理すると、
「確かに過去に確執はあったが今はもう忘れている(知っている編集者のほうが少ない)」
「審査での買い取りは長年の慣習だったので、誰も何も言わなかった」
「運営側も、買い取りが慣習だと昔から言われていたので、送って下さいと言いづらかった
「もちろん、そもそも出版時に見本を提供しているし、それどころか、伊藤さんの『ハーモニー』がSF大賞を受賞したときは、パネル用に何冊か早川書房から徳間書店に提供されている
ゆえに、
「もし、ノミネートの連絡の際に『作品を送って下さい』と言われていれば、送っていた
で、
「少なくとも早川書房は、来年から普通に送ります
という次第。
シツレイシマシタ(゜Д、゜)

ということは、もしかして、他の会社さんもそうだった・・・?

空回ってたダケジャーン(゜Д、゜)

白箱ミニクイノー(゜Д、゜)
☆本日のおめでとうございます☆

12月11日は僕にとって思い出深い日となりました。
何しろ第32回日本SF大賞の選考発表と、舞台蒼穹のファフナー千秋楽がばっちりバッティング。
SF大賞の審査を優先せざるを得ませんでしたが、やはりこの二つは僕にとって因果(*)だなあ、と思いました。

(*)『マルドゥック』が第24回SF大賞をいただいたときにTV版『ファフナー』がスタート。8年経って時期が重なるとは、不思議な因縁を感じます。


選考結果はこちらの通り。http://www.sfwj.or.jp/

SF大賞は、『華竜の宮』に。
特別賞は、『日本近代奇想小説史』に。
特別功労賞は、故・小松左京氏に贈られました。

上田さん、横田さん、本当におめでとうございます。

『希望』『ダイナミック・フィギュア』『魔法少女まどか☆マギカ』も、きわどい接戦だったと思います。
最後まで、どれが受賞してもおかしくなかった。
もしノミネートされた年がそれぞれ違っていたら、全作品が大賞を獲得していたかもしれません。

執筆者・制作陣には、惜しみなく賞賛と感謝の念を捧げたいと思います。


とともに、選考発表ではニコ生さんも入っていたりと、あまり個人的な意見は出せなかったのですが、ぜひこの機会に、各社にご一考いただきたいことが一つ。

作品がノミネート作品された暁には、ぜひ可能な限り、作品を無償で審査会にご提供いただければと切に願います。(※)
SF作家クラブは同好グループとして発足しているとはいえ、SF大賞はいまやビジネス面で有用なイベントとなっております。受賞作のみならず、ノミネート作品やその周辺作品もふくめ、新たな客層へアピールする好機なのです。
今後ますます円滑に賞が運営され、広く耳目を集める手段を講じてゆく上でも、ノミネート作品を審査員の人数分だけ購入するのではなく、ぜひとも製品をお送りいただければと、非常に手前勝手ながらお願い申し上げます。

特に早川書房さん(**)。今年の大賞受賞を期に、SF業界の新たな歴史の(***)ためにも、ぜひSF大賞ノミネート常連である早川書房さんが、率先して審査のため作品の無償提供に踏み切っていただけたなら、これほど強いアドバンテージはありません。
ノミネートされた作家さんたちも、まさか嫌がるとは思えません。審査員の人数分だけ売り上げが減るなどと言い出す営業がいるとも思えません。
重ねてぜひとも、お願い申し上げます。

(**)「刊行時には見本をいっぱい発送しているじゃないですか」とブログで書いたところ、「慣例でそうなっていただけ」とのこと。

(***)「かつてSF大賞創設期、徳間書店と早川書房の間で、受賞作の版権を巡り、仁義なき抗争があったのだよ」と伺ったのですが、現在は両社ともそんなこと考えていないそうです。

(※)結局、色んな人の思いこみで、なんとなく買い取りが慣例になっていたようです。


というわけで、来年から普通に無償提供されるそうです。

2011年12月10日土曜日

☆本日のお知らせ☆

サミットよりイベント詳細が届きました!!(゜Д、゜)

「各社協力をし合って冲方丁作品をより盛り上げていこうという命題のもと、冲方丁本人をはじめ、冲方丁関連書籍を発行する各出版社やビデオメーカーのスタッフ一同が集結した組織・“冲方サミット”。
毎月1回定例で開催される“冲方サミット”会議に加え、これまでに「OPEN-冲方」、「マルドゥック・スクランブルトークイベント」と題したイベントを積極的に展開し、さらには冲方丁そして各社希望の報酬を賭けあってのガチンコ・カジノバトルも決行。
そんな“冲方サミット”メンバー一同より「冲方ファンの皆さん、今年も1年お世話になりました!」という気持ちを込めて、今年を締めくくる「忘年会トークイベント」の開催が決定!」

<イベント概要>
「冲方サミットpresents OPEN-冲方 年忘れサミット」

【出演】    冲方丁&冲方サミット関係各社

【日程】 12月18日(日) 18時開場、19時開宴、21時終了予定

【会場】 GRANDE渋谷(東京)

【料金】 2,800円(※税込、ドリンク飲み放題付き)

【イベント参加方法】 以下応募フォームより登録をお願いいたします。応募多数の場合は抽選とさせていただきますので予めご了承ください。

*専用応募フォーム*

【PC】
https://www.sitessl.jp/entry/f000033/form.cgi

【MOBILE】
https://www.sitessl.jp/entry/f000034/form.cgi

12月13日(火) 23:59までに届いたメールを抽選の対象とさせていただきます。
12月14日(水)までに当選メールを返信させていただき、当選発表に替えさせていただきます。
ご当選者の方は、御来場者は当日入場の際に 当選メールをプリントアウトしたものまたは確認ができる携帯電話の画面のご提示をお願い申し上げます。
また、併せて年齢の確認できる身分証(免許証、学生証、社員証、パスポートなど公共機関が発行する証明書)の提示が全員必要となります。
キャンセルが発生した場合は抽選で外れた方の中から再抽選させていただきます。
携帯からご応募の場合は「pasela.co.jp」からのメールを受信可能にしてください。
複数メールを送付された場合は抽選対象外とさせていただきます。

※都条例により18歳未満の方の入場はできません。

同じ内容は、こちらの『マルドゥック・スクランブル劇場公式HP』にも掲載されております。
http://m-scramble.jp/combustion/


十八禁・・・(゜Д、゜)

2011年12月7日水曜日

☆本日のていたらく☆

舞台『蒼穹のファフナー』がスタート。
冲方は年末〆切のため動けず、不甲斐ないでござる。

盆と暮れの〆切は通常より十日近く早いので、もはや新しい仕事を一本入れた気分。

相変わらず体調が優れないので、お医者さんに元気になる注射を所望しに行ったところ、「栄養と休養だね」と軽くスルーされたでござるよ、ニンニクチュウシャー(゜Д、゜)

2011年12月6日火曜日

☆本日のお知らせ☆

緊急告知!!!!
冲方サミット大忘年会スペシャル」開催決定!!

12月18日(日)  GRANDE渋谷にて。
18時オープン、19時スタート!

チケットなどの詳細は、超近日中に発表!
皆さま、18日の夜はスケジュール死守!でお願いしますよ!

By @ubukata_summit


今年一年の総決算!&来年のマニフェスト発表を行う予定です。
FINALE OF 2011!!
間に合うのか締め切りは!?(゜Д、゜)
☆本日のお話☆

(゜Д、゜)ウブカタ「よし珍しく今日はパパが絵本を読んであげよう」
(・ω・)マイサン「えー、めずらしすぎるー。読まないで、パパ」
(゜Д、゜)オヤバカ「ははは、素直なやつだなあ。さてさて、シンデレラは……」
(・ω・)「ちがうの、マイサンがパパに読んであげるの」
(゜Д、゜)「なんと……。知らないうちにマイサンは成長するものよ。それではぜひパパに絵本を読んで聞かせてくれたまえ」
(・ω・)「えっとね、し・ん・で・れ・らは、みんなの前で、おならをしました!」
(゜Д、゜)「大胆不敵なシンデレラだね」
(・ω・)「ままははは、しんでれらをころすことにしました」
(゜Д、゜)「放屁罪だねマイサン」
(・ω・)「ままははは、まほうのかがみに、言いました。もしもし、かりゅうどは、どこですか」
(゜Д、゜)「携帯電話みたいなまほうのかがみだね」
(・ω・)「ママハハは、かりゅうどに、しんでれらをころせと言いました」
(゜Д、゜)「合ってるよマイサン、合ってるよ」
(・ω・)「かりゅうどは、しんでれらを、森につれていきました」
(゜Д、゜)「うむうむ」
(・ω・)「かりゅうどは、しんでれらを、ころしました
Σ゜( Д、゜)「実行!?」
(・ω・)「しんでれらは、しにました」
(゜Д、゜)「主人公不在!」
(・ω・)「かりゅうどは、しんでれらが、すきでした」
(゜Д、゜)ドキドキ「いきなりドラマチック!」
(・ω・)「かりゅうどは、しんでれらになりました
Σ(゜Д、゜)「なにぃ!?」
(・ω・)「しんでれらは、こびとさんたちの、お家にいきました」
(゜Д、゜)「しんでれら=かりゅうど!? なんと斬新な!」
(・ω・)「しんでれらが、おそうじをしたので、みんな、なかよくなりました」
(・ω・)「おしまい!」
(゜Д、゜)「ハッピーエンド!?」
(・ω・)「ままははは、かがみに言いました」
(゜Д、゜)「第二章開幕か、マイサン!」
(・ω・)「このよで、いちばん、きれいなひとはだれですか」
(゜Д、゜)「合ってる、だいぶ合ってるよ、マイサン!」
(・ω・)「かがみは、しんでれらです、と答えました」
(゜Д、゜)「美貌のかりゅうど!?」
(・ω・)「ままははは、しんでれらたちを、ころすことにしました」
(゜Д、゜)「こびとさんたちも視野に入れるとは、すごい殺意だねマイサン」
(・ω・)「ままははは、どくりんごをひとつ、買いました」
(゜Д、゜)「市販品!?」
(・ω・)「ままははは、どくりんごをひとつ、食べました」
(゜Д、゜)「自決!?」
(・ω・)「ままははは、わるいまじょになりました」
(゜Д、゜)「りんごで変身!」
(・ω・)「ままははは、森へ、ぴゅーっていきました、すぱだーまんみたいに!」
(゜Д、゜)「スパイダーマンだねマイサン!」
(・ω・)「そう、それ。しゃーってやって、びゅーんて飛ぶんだよ知ってる?」
(゜Д、゜)「知ってるとも。すごいアグレッシブなまじょだね!」
(・ω・)「おしまい!」
(゜Д、゜)「気になる! ままははのアクションが気になるぞマイサン!」
(・ω・)「もう、ねんねしなさい」
(゜Д、゜)「もうちょっと! もうちょっとだけ!」
(・ω・)「えー、しょうがないなー」
(・ω・)「ままははは、しんでれらとたたかいました」
(゜Д、゜)「さすがはかりゅうど、徹底抗戦だね」
(・ω・)「森が、だいばくはつしました」
(゜Д、゜)「なんと!」
(・ω・)「ままははは、やられました」
(゜Д、゜)「しんでれらに続き、ままははまでも倒したか、かりゅうど!」
(・ω・)「ままははは、しんでれらのおばけに会いました」
(゜Д、゜)「ここでよもやの主人公復活!」
(・ω・)「ままははは、しんでれらのおばけと味方になりました」
(゜Д、゜)「因縁のタッグ!」
(・ω・)「おうじさまは、おうまさんと、ちゅーしました」
(゜Д、゜)「なにやってんの!?」
(・ω・)「こびとさんたちは、おうじさまを、うめました
(゜Д、゜)「何の罰なの!?」
(・ω・)「おしまい!」
(゜Д、゜)「っえー!? 続きは!?」
(・ω・)「パパかんがえてよ」
(゜Д、゜)「あー……」
(・ω・)「ねんねしなさい」

2011年12月5日月曜日

☆本日の雑想☆

今年は五作品がノミネートされた、第32回日本SF大賞、最終候補作品群。
『華竜の宮』上田早夕里
『希望』瀬名秀明
『近代日本奇想小説史 明治篇』横田順彌
『ダイナミックフィギュア』三島浩司
『魔法少女まどか☆マギカ』毎日放送

いよいよ審査は11日に近づき、ちょっと緊張気味。
実は、冲方も審査員なのである。『マルドゥック』が受賞したのは第24回なので、8年も経つと恩恵を受けるばかりでなく、しっかり責任を取らされるという次第。
とはいえ、素晴らしい力作にふれるのは至福のひとときでありました。が、、、ここで、内容とまったく関係ないところで非常にしんどい思いをしたのが、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。
というのも「白箱」で送られてきたのが辛かったのです。

白箱とは、放映時の映像データを焼いたDVDのこと。スキップ不能・スポンサー用キャプション入り・CM用空白あり。正直、VHSテープ一本に6時間ダビングしてもらったほうが、よっぽど見やすい。
これがスタジオから送られてきたのならまだしも、いまどき、なぜ、メーカーが白箱を送ってくるのか意味が分からない。
DVD製品の見本では、なぜいけないのか。まさかケチったのか。

白箱で審査がしにくい理由は、主に2つ。
1つは、白箱では早送りと巻き戻ししかできないのだから、複数のシーンを確認するのがものすごく面倒くさい。審査員は別に、作品を鑑賞したいわけではない。あらゆる角度から検討する必要がある。一つのシーンの妥当性を評価するため、それ以前のシーンを逐一確認せねばならない。
批評の仕方は人それぞれで、中には一読して残った印象が全てという人もいる。自分の記憶で語るタイプだ。記憶と作品内容が食い違っても、「そういう印象を生んだ作品」ということが批評原理となる。そういう人にとっては、白箱もDVDも関係がない。

だが僕は、批評において、「バッグを落とす演出の回数」を数えるタイプの人間である。
その演出が、キャラクターやストーリーにとって非日常への以降か、決意のあらわれか、単にセリフの代わりか。必然的か、たまたまか。そういった多数の演出の積み重ねを、自分の勝手な記憶に置き換えず、片っ端から把握した上で、全体の作品性を問う。つまり「何のためだったのか」を知ろうとする。
どのような批評の仕方がベストだということはできない。だから五人も審査員がいる。
なんであれ、白箱は、僕にとって最悪中の最悪にしんどい形式だった。

もう1つは、DVD化する際に、修正や編集があったとしても、審査員は関知しないという点。
白箱は、本にたとえれば連載時の原稿であり、一冊の本にブラッシュアップする前のしろものである。
お母さんが手酌で注ぐボトルの中身が、物理法則を無視して増えたり減ったりしているように見えるシーンが、果たして修正されたのかどうか僕は知らない。
単に、制作時の意思統一がそれだけバラバラだったという事実が、評価というか感想の一単位となる。小説や漫画に比べ、集団戦であるアニメには「完成性・一貫性」の点でハンデがあり、それが克服されていないという印象につながるだろう。

むろん、荒削りだろうが破綻していようが、魅力に満ちていることが最重要であることに変わりはない。
白箱だろうがDVD製品だろうが、根本的なところで審査に影響は与えない。
与えないために、僕は、ひどく苦労させられた、というだけのことだ。

ただ、この作品を作った監督・スタッフ陣の気持ちはどうなのだろう。別段、製品版を見てもらいたいとは思わないのだろうか。
もし思う者が一人でもいるなら、「白箱」を送付することは、尽力したスタッフに対し、いささか不誠実だったのではなかろうか。
そう、手前勝手ながら、思うのである。
【タグなし】☆本日の雑想☆【つぶやき】

☆本日の雑想☆
夏に体調を崩し、そのツケが年末に回り、決して幸せではないしわ寄せはなはだしい昨今、親不知の治療で超痛いでござるバファリーン(゜Д、゜)

体は良くない、ブログは真面目なことばかり書いてある。これでは更新モチベーションがクリミナル シンフォニー(*)なのであった。

しかしツイッター上の、@ubukata_summitや、@mardock_sc、ひいてはマルドゥックや光國伝の公式HPとの連動を考えるに、ブログを垣田舞、おお、なんか名前になっているが、書きたまえという暗黙のプレッシャーもまた、マイトアトラス(**)なのであった。

(*)「クルミナルシンフォニー」:『SOUL CALIBUR Ⅳ』アイヴィー。剣状態「3214391A+G」。数字はテンキーになぞらえた左スティックの方向入力。クソ面倒くさい技である。
(**)「マイトアトラス」:同上。鞭状態「1236173B+G」。ちょっと試してみるたび、どこかで聞いた名言がよみがえる。そう、「まるでナイトMシャマランをケツにつっこまれた気分だ」。

けれどもそこは別にネタ切れというわけではないのだ。
書きたいことは色々あるのだ。
「春海くん四コマ」の下書きを近日(?)公開なのだ。

そんなわけで今日はリハビリでしたネムイヨー(゜Д、゜)

2011年8月12日金曜日

☆本日の一言☆

虚無とは、厭世的な気分の中で感覚が研ぎ澄まされていき、世界の中でただ一人しかいないと思うような感覚です

CONISCHさん。今年9月3日公開の『マルドゥック・スクランブル劇場版第二部「燃焼」』用パンフレットに収録予定のインタビュー記事にて。

こうも的確に『マルドゥック』における核心の一つを指摘されるとは。
上記の一言の他、林原さんをはじめとするスタッフ陣のインタビュー記事それ自体が、いわば『マルドゥック・シリーズ』の総評論集とでもいうべきものになっていて、喫驚。

僕が言うのもなんですが、劇場に足をお運びいただいた方は、ぜひパンフレット購入を推奨です!

とにかくあらゆるスタッフが作品の深部におそろしく食い込んでくる。
小説では言葉にしていない部分を「発見」し、さらに先へ進んでいっている。
『アノニマス』で書こうとしていたことを先取りされていてぎょっとなったり。

作品としてはとんでもなく幸福であり、原作者としては恐ろしい人たちに囲まれて戦闘態勢であり、一スタッフとしてはこれほどやり甲斐のある現場はまたとありません。

素晴らしい作品に仕上がっていると思います。ぜひお楽しみ下さい!



2011年8月4日木曜日

☆本日のお知らせ☆

○「伝統的七夕ライトダウン」の呼びかけ

http://7min.darksky.jp/


伝統的七夕ライトダウン2011推進委員会より、「六本木ヒルズから夜空とライトダウンを眺める「東京ライトダウンウォッチング」を開催できる運びとなりました」とのこと。
詳しくは上記HPへ! 東京タワーの消灯とともに、果たして東京に星空が現れるか??
 


○☆本日の撮影観測 その2☆

映画『天地明察』の撮影見学第二弾。

雄弁な美術背景を呑み込み、それぞれの人物を演じる役者陣のすごさは、圧倒的。
BGMも映像処理も何もない、周囲を数十人ものスタッフたちが取り囲んでいる状態であるにもかかわらず、カメラが回り始めるやいなや、作品世界に引きずり込まれました。

特に、渋川春海こと安井算哲を演じる岡田さんが、さっと白刃から顔を背けようとした瞬間、
(危ない)
と思ってしまったことに、僕自身、驚きました。
(撮影に、真剣を使っている)
なんて危険なことをするのだろう、と唖然となったわけです。

もちろん、本当に刃を使うわけがない。こすっても切れない、いわば、ただの棒に等しい刀です。なのに、そのときの僕の目は、本物の刃だと信じて疑わなくなっていた。岡田さんや役者陣の演技の力、あるいは時代劇という伝統の技芸が、切れないはずの刀を、鋭い真剣に変貌させてしまった。
話には聞いていましたが、本当にそういうことが起こるとは。
驚くやら感動するやら、
(負けるものか)
などと、露骨に対抗心を燃やさせられるやら、とにかく今も深く印象に残るシーンでした。

(※どのシーンかは映画を観てのお楽しみです。)

2011年7月22日金曜日

☆本日の一言☆

も…もう一回…(゜Д、゜)
冲方丁。スケジュールの都合で、『マルドゥック・スクランブル』第二部「燃焼」の最終作業に立ち合えなかったことについて。
無念でござる。もちろん、もう一回やってくれるわけがない。
なにはともあれ、おつかれさまでした! やったー完パケだ!
ここまで素晴らしいモチベーションを維持し続けた監督や全てのスタッフに感謝申し上げます。一緒に制作できたことが嬉しくて仕方ありません。本当にありがとうございます。
8月末のイベント、9月の公開、乞うご期待です!


☆本日の撮影観測 その1☆

映画『天地明察』の撮影を見学させていただきました。
アニメーションの現場とはまた違う、そして同じくらい、「言葉にできない」素晴らしさでした。
セットの部屋の形状、壁の絵、天井や柱や細かな内装に至るまで、全てが雄弁でした。登場人物の心情や作品の世界観ばかりか、物語をも語っていることに、大いに驚かされました。
小説では削りがちな舞台描写ですが、映像では、むしろ最も豊かに、そして細心の注意を払って創造されてゆく。小道具の一つ一つが、セリフと同じように語り出す。
役者が登る舞台は、それ自体が物言わぬ「役者」であり、そして今回は、想像を超えた最高の「演技」を目の当たりにしました。
「絵馬欲しい! 天球儀欲しい! 星図とかも!」
久々に、子供のように欲しがってしまいました。

2011年7月18日月曜日

☆本日限りの回答☆


○『微睡みのセフィロト』と『エスパーお蘭』につきまして。

 不思議なメッセージがありました。
 @ubukata_summitのタイムライン上のもので、見ると「フォロー1、フォロワー0、ツイート2」という、
 ボットと同類の誰かが、ただ一言発信するためだけにアカウントを作った、何者でもない方のツイートです。

 内容は以下の通りです。
「@ubukata_summit 『マルドゥック・フラグメンツ』のパクリ問題に付随して冲方先生の「微睡みのセフィロト」が平井和正の「エスパーお蘭」にそっくりでは?という問題も浮上してるようですがどうなんでしょう?」

 はじめは意図がわかりませんでしたが、つまり「冲方丁も盗作をしているのだ」ということが言いたいのでしょう。
 そもそも、『微睡みのセフィロト』が、徳間と早川から二度出版される過程で、何の指摘も抗議も受けていないにもかかわらず、ただの噂に対し、「公式」というのも、実におかしな考え方です。

 なんであれ、答えは、読んでおりません。

 僕は、バブル崩壊後になってようやく日本に住むようになりました。
 それ以前の日本の出版物はおろか、日本のカルチャー自体、なかなか享受できなかったし、理解できなかった。美空ひばりが誰かもわからず、プラモデルが日本産であることもよくわかっていなかった。
 帰国して間もなく影響を受けたのは、小説では夢枕獏先生と、栗本薫先生でした。
 あまりにもお二人の作品の影響を受けすぎたため、デビュー作を書く際には、『上弦の月を食べる獅子』を鋸で真っ二つにし、『魔界水滸伝』を学校の焼却炉に放り込みました。今考えても何の意味もない行為ですが、そうでもしないと、一生、呪縛され続けると思っていたのでしょう。

 『微睡みのセフィロト』を執筆する際に念頭にあったのは、子供の頃に読んだアメコミの「続き」を考える、ということでした。
 突如として進化した新たな人類と、旧来の人類が争った、「その後の世界」を描きたかった。このことから、最も影響を受けたのは、まず間違いなく「X-MEN」でしょう。
 しかし当時の僕にそこまでの実力はなく、そもそも『マルドゥック・スクランブル』を出版してもらえず、放浪していた時期でありました。そのため、徳間書店の編集部から「このような作品だったら出版できる」と、枚数から内容、シーン構成など、様々な指示・指摘を受けて書いたのが、『微睡みのセフィロト』です。
 その過程で、『エスパーお蘭』というタイトルが出たことはありませんでしたし、早川で出版し直した際にも、参考書として意識して書こう、といった話はありませんでした。
 今はただ、あのとき書き損なった「その後の世界」が、課題として残るばかりです。

 しかしここで重要なのは、「読んでいない」という不勉強の自慢ではありません。
 その昔、SF評論家である鏡明さんに、「SFをもっと読んだほうがいい」と言われ、不勉強を指摘されるのが嫌だった僕は、「山田正紀さんの『機神兵団』のアニメは見ました」と強弁し、「それ言ったら、あいつ泣くよ」と笑われたことがあります。
 それでも、そうした隔世の間隙においても、受け継がれるものはあるのです。

 僕は、『ブレードランナー』を知りませんでした。
 けれども、『サイレントメビウス』で描かれた、あのランドスケープやギミックを通して、SFならではの退廃と高揚に満ちた世界を知るきっかけを得ました。
 僕が「ESP」という言葉を見て、何の意味かすぐわかるのは、『ファイア・スターター』と『僕の地球を守って』のお陰です。

 いわば平井和正先生は、僕にとって、第一世代です。
 直接は知らないものの、第二世代として活躍された方々が、第三世代である僕に、第一世代が生んだ素晴らしいものごとを伝えてくれましたし、今も伝え続けてくれているのです。

 僕は、『エスパーお蘭』を読んだことはありません。
 しかし、つながっているはずですし、つながるよう、努力すべきなのです。
 なぜなら、いつか、僕の次に来ている第四世代に、なるべく多くの遺産を受け継がせねばならないからです。

 不思議な問いかけに対する、おかしな回答は以上です。

 ところで。

 僕にも、今回の問いを投げかけたあなたに、質問が二つあります。


 あなたは、読者ですか?

 「オオカミが来た」とわめくのが楽しいだけで、僕や平井和正先生、『微睡みのセフィロト』や『エスパーお蘭』に、本当は何の興味もないのではないですか?


 おそらく、最初に平井和正先生や出版社に、同じようなメッセージを投げつけたものの、相手にされなかったか、思った通りの事態にならなかったため、仕方なく僕のところにやって来たのでしょう。加害者であることを認めさせる前に、まず普通は、被害者の怒りを煽ろうとするはずだからです。
 しかも、対話を拒絶し、最初から誰とも何の関係も持とうとせず、「公式」を要求しながら自分は匿名のメッセンジャーになりすましながら。
 そういうあなたの問いかけに、律儀に返答している僕は、とびきりの愚か者ということになるでしょう。

 ただし、「公式」の見解として、一つだけ述べさせていただきます。
 ここ一連の出来事の中で、あなたが最も悪質です。
 くだんの賞を取り消された方は、確かに様々な点で咎められるべきでした。
 けれども、事が起これば罰を受ける場に、自ら望んで立っていたのです。それが彼の良心でなくてなんでしょうか。
 

 あなたは、最初からどこにもいません。

 僕は、あなたを読者とは思いません。

 「業界への貢献、クリエイターの利益、読者が享受すべき喜び」僕が学び、守るべきこれらの中のどこにも、あなたはいません。
 このブログや公式ツイッターは、読者と作品の架け橋の場です。
 今後、読者ではない方の問いかけに、僕が答えることは二度とないでしょう。

 

 人は、喜びを求めるだけでなく、選ぶことができます。

 ボタン一つで何かを操作する喜びも、全身全霊をかけて何かを成し遂げる喜びも、自分の姿を隠したまま他人が傷つく場面に参加したくて仕方ない喜びも。

 どれも、人の喜びです。 


 喜びを選んで下さい。

2011年7月17日日曜日

【さておき】☆本日のお知らせ☆【仕事しなきゃ】


○《2011大学読書人大賞》受賞メッセージ  紀伊國屋書店さん
http://www.kinokuniya.co.jp/20110712205318.html

 遅ればせながら、大学読書人大賞、本当にありがとうございます。
 若い読者の熱意にふれることができて、とても嬉しかったです。
 全てのプレゼンターと賞の運営に携わる方々に、御礼申し上げますとともに、ぜひその熱意を育て続けて下さることを念願いたします。
 
 
○映画『天地明察』撮影見学
 近々、撮影を見学させていただくことになりました。
 なんと撮影スタッフの方から、特製台本カバーとディレクターズチェアまで用意していただいてしまいました。恐縮です。
 それにしても滝田組の一人一人の熱気と個性にびっくり。あまりに素晴らしすぎて、許可が出るものなら、「本日の一言」でご紹介したいくらいです。
 見学の様子は、近々、開設予定の光圀伝HPなどでご紹介するかも。お楽しみに!

2011年7月15日金曜日

本日のお知らせ

☆本日のお知らせ☆

『マルドゥック・フラグメンツ』内収録短編と、ある漫画賞受賞作品との間で生じた問題につきましてコメントいたします。




 ※主文※

 関係者からご連絡をいただき、すでに賞を運営されている編集部と、描き手の方、双方より、謝罪文を公表する意志を示していただいております。

 そもそも、攻撃的な悪意があっての行いではなく、先方の迅速な対応があったことから、その後の早川サイドと先方との話し合いが穏便に進む限り、僕から何かを申し立てる、というようなことはありません。

 また、インターネット上で非難されるなど、すでに編集部および描き手の両サイドが、いわゆる「社会的警告」を十分に受けているとのことです。

 よって、今後は一件がスムーズに収束し、むやみと尾ひれがつかぬこと、関係者全員の成長の機会となれることを切に望みます。

 また、僕自身も今回の一件を、より良い作品作り・業界作りのためのヒントの一つとして受け止めたいと思います。





 ※今件の試案※

 重要なのは、作品が類似することそのものではありません。

 多少、キャラが似ようが、語彙が似ようが、物語の展開が似ようが、作風が似ようが、正当な作品作りをしている限り、誰も問題にしません。

 そうではなく、「ある人が正当な対価を得るのを、邪魔する可能性を作る」こと、これが今回の問題の核心であったと考えます。

 作品を世に出す過程で、多くの人間が労力を費やし、時間を割き、アイディアを振り絞っております。
 そうした人々にこそ、対価が支払われるべきである、と考えるのは自然なことでしょう。そうでなければ、誰も、作品作りを本業にしたいとは思わなくなります。
 そのような対価を侵害し、正当な報酬を受け取ることができない人々を作ってしまう可能性こそ、「著作権侵害」として咎められるべきものなのです。


 マルドゥック・シリーズにつきましては、今なお早川書房の編集者が非常な労力を費やしており、さらには漫画が連載中であり、アニメ作品が製作中であり、主要参加者だけでも延べ100人以上にのぼっております。

 その全員が、作品に尽力している最中であることから、原作者としては、まず第一に、彼ら参加者たちの正当な対価を守る態度を取らねばなりません。

 ですから、

「作ってしまったのだから後付けで原作権を貸与する」

「引用を黙認あるいは追認して販売に賛成する」

 といったことは、現状の僕自身、許されていないのです。

 
 もしこれが今から二十年後であったならば、違う態度を取ったかもしれません。70ページ超もの紙面を絵で埋めることが、どれほど労力がかかることか、よく存じております。
 しかし今回は、はるかに巨大で長期にわたる労力を費やしている人々がおり、僕もふくめ、いかなる対価の侵害も許されない状況にある、という点を、重ねて、各関係者および読者の方々に、ご承知いただきたい次第です。



 ただし。

 更にこの上、記者会見や賠償や雑誌回収といった、攻撃的制裁をはかるのは、明らかに過剰反応であり、そんな馬鹿げた主張をしたところで、何ら良い結果になりません。


 今後、編集部と描き手が全ての言い訳を棄て、修練に励み、最高に独創的で面白い作品を発表せねばならない、というハードルの高さこそ、何よりの試練となり、ひるがえって業界の健全な活発化の良い契機になると考えます。




 ※さらに試案※


 もちろん、上記のような考え方を前提としつつ、むしろ過去の作品と類似したもの、引用を積極的に行うものが、歓迎される場合もあります。

 状況によって千差万別ですが、主に、次の三つのパターンが考えられます。


 第一に、競合作品をあえて出すことで、シェアに食い込もうとする場合。

 第二に、時代風潮やジャンルを分析することで、必然的に互いの作品が似てくる場合。

 第三に、意図的にパロディやオマージュを仕掛ける場合。


 いずれの場合も、編集者やプロデューサー、あるいは制作者の狙いがあり、状況も千差万別で、ときに争いも起こります。場合によっては、制作陣の内部で反発が起こることすらあります。しかしその争いが、建設的な競争である限り、必ず良い結果につながってゆきます。

 その暗黙の大原則こそ、「業界の活発化」であるというのが冲方の態度です。

 競争があるからこそ、どの作品も洗練され、分析力が高まり、過去から現在へのジャンルの歴史が浮き彫りになる。そして、おのずと業界の注目度が高くなり、買い手が増える。結果、業界に参加する全員の、利益を得る機会が増える。

 たとえ一社・一者の独占的な状態が、一時的には利益をもたらしてくれるとしても、その状態をいつまでも維持できるわけではありません。むしろ多数の参加者があることによって、発展的な成長があると考えます。


 ただしそうした活発化には、様々な大前提があり、その一つが先述の「正当な対価の保障」、そしてまた一つが「新しい視点」です。

 あまりに類似した作品群が多くなると、当然のことながら買い手は飽きてまったく買わなくなるか、もしくは少数の作品に傾倒し、他はかえりみなくなります。どれを見ても似ているなら、労力を少なくするため、少数作品から他を類推するようになるのが自然な成り行きです。

 そのような「飽き」を吹き飛ばす「新しい視点」を提供して行くことが、昨今では大いに求められているように感じます。そのための類似であるならば、むしろ歓迎されることになるでしょう。とはいえ、それはきわめて困難なニーズであり、努力と失敗を何度も重ねることでしか、応えることはできません。

 

 ※もうちょっと試案※

 しかし一方で、上記に属さない、第四のパターンが、いまや大きな認知を得ている状況にあります。

 インターネットや即売会といった発表の場の多様化、アプリケーションや印刷・編集技術による表現の容易さによって、既存の作品を流用したマッド作品や同人誌の流通が増大し、多くの観客の心をつかむことに成功しました。

 これも状況次第ではありますが、多くは、

「広告効果」

「ファン同士の交流」

「セミプロの育成の場」

 という三つの点で、多少なりとも業界に貢献しているとみなされる限り、原作サイドから黙認されるか、むしろ喜ばれる傾向にあります。

 ですが、そもそもなぜそうなったかと言えば、単にインターネットや同人誌といったものに関する法制度が、空白だらけだったからでしょう。

 いわば、だだっ広い草原を、みながめいめいに動き回り、家を建てたり、車を走らせたりしている状態で、どうしようもなかった、というのが現実だと考えます。

 いずれ衝突事故の多い場所から「交通整理」が行われてゆくでしょうが、まだしばらくは、「抜け道だらけの巨大な空き地」とみなすしかありません。

 そして、あまりにその空き地が広々としているものだから、「空き地の外」までもが、同じような状態である、と信じてしまう傾向が生じるようになったのではないでしょうか。


 今この時代、プロになるとは、まずそうした「空き地」を棄てることを意味するようになってきていると感じます。

 「空き地」を出て、新たに入るのは、建設に建設が重ねられた、より巨大な場です。

 過去何十年もの間、とてつもない数の人々が、本当に信じがたい努力を費やして築いてきた場所です。

 しかも、様々な条件に従って、はじめて参入できるそこは、厳しく、複雑で、報われることが少なく、理不尽な戦いを永遠に続けねばならない場です。

 もちろん、そこでしか得られない、素晴らしい喜びと学びに満ちていることも確かです。しかしプロになってのち喜びと学びを享受できるかどうかは、誰にもわかりません。


 他方、「空き地」は、今後ますます、豊かで、面白く、刺激のある場になるでしょう。

 ときに自分を育て、鼓舞し、癒してくれる大切な場になるに違いありません。

 万人に解放されており、いつでも自分に共感してくれる誰かがいて、自分が好きなものに没頭できます。自分が何かを作るための材料も手段も惜しみなく与えられ、アイディアを実行に移すことを止められたり、実現を妨げられたり、様々に条件を課されることなど、ほとんどありません。

 黙って座っていても、次々にどこかで生まれた斬新なアイディアを受け取れるし、誰かが作ってくれた何かを好きなだけ享受できます。

 どんなものに対しても、共感するかどうか気ままに決められ、どんな野放図な考えを抱いてもよく、思いついたこと全て、いつだって好きなように発表できます。

 本当に、誰にとっても生き甲斐となれるような、素晴らしい、愛しい場所です。

 だからこそ、そこで学んだ自由さが、絶対的な基準になってしまうことがあるのでしょう。



 さて。



 その愛しい場所を去れますか?

 豊かな空き地で充実していられた日々の一切合切をなげうち、自由を背後に置き去りにして二度とかえりみず、ただ愚直に、約束されない喜びと学びを求めて、孤独な不自由の道を、選んで歩み続けることができますか?





 そんな問いが、今後あらためて、あらゆるプロ志願者たちに、そして僕自身に、課されるようになるかもしれません。

 冲方は、けっこうそんな気がしております。

 

2011年7月14日木曜日

☆【ブログ】本日のお知らせ【復活】☆

 震災後のスケジュール調整に明け暮れつつ、そろそろブログのほうも再開しようよ、というお達しゆえ久々にUP(゜Д、゜)

 皆様の熱意をいただき、お陰様で三ヶ月連続イベント&蒼穹作戦も大盛況となりました。
 8月下旬の「ポーカー対決・頂上決戦」、ぜひお楽しみに。勝ちます(゜Д、゜)
 

☆☆映画『天地明察』☆☆
 先月、クランクイン時に京都にて「お祓い」に参加しました。
 滝田監督をはじめ、主演のお二方、角川書店会長、社長、スタッフ総勢100名近い参列の中、初めてのお祓い体験のせいか、朝から異様に緊張しっぱなし。
 「祓い給え、清め給え」の言葉に、すーっと心が洗われるのを感じました。

 大勢の役者勢・スタッフ勢が力を結集する中、どうか一人の怪我人もなく、病気事故に遭うことなく、健やかに充実した撮影になるようお祈り申し上げます。
 
 お祓いののち、「カツラ合わせ」と「衣装合わせ」に参加。
 そのままの頭で撮影所内を散策。
 なぜカツラか……? 理由は、まだ内緒でござる。



 ぶらりと江戸の下町を散策してソウロウ。

2011年5月14日土曜日

☆マルドゥック・スクランブル劇場第二部「燃焼」イベント☆
5月8日のイベントにご来場いただきました方々に大感謝です!
差し入れを下さったお客様、翌日のキャスティング会議にてみんなで美味しくいただきました!ありがとうございます!

イベントは連続して毎月行われる予定です。
ぜひご来場下さいませ!

お陰様でモチベーションUPなものの、イベント翌日に発熱・咳・嘔吐・謎の背痛でダウン。
最近、体が弱いぞ自分。本格的に鍛え直さねば(゜Д、゜)

2011年4月24日日曜日

☆本日のいただきもの☆

『100,000年後の安全』
http://www.uplink.co.jp/100000/

日系エンターテイメントさんを経て、UPLINKさんよりサンプルDVDをいただきました。
ありがとうございます。


これは人類社会が経験する、最も「永い物語」である。

フィンランドで建設が進められている、放射性廃棄物の永久処分場「オンカロ」。
その巨大な地下都市のごとき施設の役割は、集積された放射性廃棄物が安全になるまで、人々を遠ざけ、忘れ去られること。
その想定期間は、実に10万年。

この映画が教えてくれるのは、原子力発電というものがいったい人類にどのような課題をもたらしたか、ということだ。
原子力発電というものを真剣に考えたとして、我々にはどこまで「考える能力」があるのか?
10万年。ネアンデルタール人から、今の人類へ「世代交代」するまでと、ほぼ同程度の時間だ。
そんな巨大な時間を、現代の社会問題として扱った経験など、誰にもあるはずがない。ネアンデルタール人にまで遡ったところで、一人もいないだろう。ましてや10万年もの間、機能を保ち続けた建造物など、この地球上に存在した試しがない。
だが原子力発電によって生まれる放射性廃棄物は、我々に、想像を絶する問いかけをもたらした。

10万年後のことにまで、我々は責任を負うべきなのだろうか?

このドキュメンタリー映画に登場するのは、「YES」と答えた人々だ。そして彼らこそ、人類が今後経験するあらゆる物事の中で、「最も永い物語」に挑んだ、最初の人々になるだろう。


映画を見終わって考えさせられたのは、今の「原発反対か、賛成か」という議論が、いかに未知の問題を棚上げしているか、ということだ。
多くの人々は、数カ国、数十年といった程度のスパンでしか考えていない。僕自身もそうだ。というより、それが大半の人々にとっての限界だろう。
そして、そうした限界をあざ笑うかのように、原子力発電所の「安全」は、多くのものごとが確実であるにもかかわらず、どう対処すべきかは決まっていない。

最終処分を行わなければならない放射性廃棄物の恒久的な処分方法は、先進諸国でも決まっていないか、実施されていない。
インドや中国や中東地域といった世界中の国々が、西欧先進国と同じ電力量を消費できるようになるには、原子力発電所があと千基かそこらは必要になるらしい。そしてそうした国々の中には、戦争で原子力発電所が破壊される可能性のある地域が少なからずふくまれている。
いずれ石油と同じように、ウランも尽きるが、その後の代替エネルギーは想定されていない。放射性廃棄物を再利用する技術は存在するが、それによって生じるプルトニウムなど、核兵器に転用できる物質の問題は解決されていない。

「地層処分」というフィンランドの決定の背景には、こうした問題を「本当に考えた」とき、想像を絶する課題が待ちかまえているという事実がある。

あなたは10万年後の未来を「考える」ことができるだろうか。
10万年後の未来に、責任を持つべきだと考えるだろうか。
そして、10万年後の人類を、信頼できるだろうか。

2011年4月19日火曜日

【みな】本日の一言【粛々と】

余震が続く中、急速な回復を継続しているライフライン。
これが日本の底力なのだと感動を覚えます。
自衛隊・警察・消防・海上保安庁の尽力と同じく、物資流通の回復維持を果たす一人一人もまた、復興の第一歩を我々に示してくれる、英雄的存在でありましょう。

にもかかわらず。
いまだ家族を自宅に戻せないまま、一人で東京・福島・北海道を行ったり来たり。
長引く原発災害は、かつてない長期戦を住民にしいており、家族が離ればなれになるケースが増える一方です。


夏もこの格好なのかなあ
 福島の小学生たちのぼやき。本屋さんにて。春の陽気にもかかわらず、頭からレインコートをすっぽりかぶり、マスクと手袋をし、ふうふう息苦しそうな様子である。「なるべく体を覆って下さい」という専門家の指示に、親は従わざるをえない。明白な危険に対処するのではなく、不確実な安全対策を延々と続けさせられることは、想像以上のストレスをもたらす。
 子供をそんな格好でしか外出させられない今の状況に、いたたまれなさを感じる。


本日の環境放射線測定値です
 ラジオの天気予報にて。もはやSFである。「風向きに注意して下さい」と言われたところでなすすべとてない。本当にその数値が正しいのか、誰が計測したのか、疑い出せばきりがない。
 

一元化と多元化
 地震・津波と、原発災害、何が最も違うのか。
 地震や津波においては情報もその意味合いも一元化されてゆく。誰も「津波は十センチまでなら安全です」とは言わない。「近くにある電信柱にしがみつけば大丈夫です」といった場当たり的な対処法を示したりしない。「津波が発生する確率が10%以下なら安心して港での仕事を続けよう」とは考えない。全て「危険だから待避して下さい」である。
 しかし原発災害においては今もバラバラで、場当たり的で、意味不明なまでに多元的だ。
 何が安全なのかもわからない。日によって状況が変わり、しかも日本と世界の専門家の意見が一致することのほうが珍しい。地震や津波の際に大活躍したツイッターやソーシャル・ネットワークも、原発災害に関しては矛盾する情報ばかりで、具体的な対策効果に乏しい。
 汚染という言葉の一人歩きも激しく、人々の気分で、状況の評価も変わってしまう。
 こうしたことに、とにかく耐えねばならない。
 こんなに疲れる災害はない。


(子供が)汚染されていないことを示す証明書を提出して下さい
 茨城県つくば市。どうやら、福島から避難した子供が、避難先の学校に転入する際に証明しなければならないらしい、とのこと。「福島の子供は放射線を出すに違いない」とでも思っているのであろうか。
 こうした、教育の現場での公序良俗軍団による見当違いな私的発砲は、いたずらに人を傷つけるだけで何の益もなく、今後ますます広まらないことを願うばかりである。
 実際にそんな馬鹿げた証明書が作成されたかどうかはわからないが、こうした風聞を耳にすると、ついつい「そんな場所に子供を避難させなくて良かった」と思ってしまうのが正直なところである。


避難? 追放だよ
 原発周辺から待避させられた人の呟き。福島市内の喫茶店にて。幸運にも震災を生き抜いた。物資流通が回復した。桜の開花に伴い、心弾む景色がようやく訪れてくれた。
 なのに自宅で住めなくなった。いつ帰れるのかもわからない。仕事はできない。農地はほったらかしだ。取引先は全て失われ、仕入れた物品全てが「汚染」扱いされて売り物にならない。
 町や村が、先の見えない空白の中に置かれる。
 原発事故の怖さは、農・漁・工・商・観光、全ての地元経済が一昼夜にして停止し、その範囲がとんでもなく拡大してゆくところにある。
 

2011年4月10日日曜日

【ほぼ一ヶ月ぶりに】本日の一言【一時帰宅】

北海道・帯広での仮設拠点を準備しつつ、
一時帰宅の人たちとともに、飛行機で福島市へ。
物資不足は如実ですが、みな、粛々と生活をしておりました。

新幹線の復旧はされるのかわかりませんが、
12日の本屋大賞授賞式にはなんとか出席予定。
「元気な日本」に参加します。



単に好きなだけです、忌野清志郎さんが
 福島市のガソリンスタンド店員さん。ようやく車に給油した際、店内から『原発賛成音頭』が響き渡っていたことについて。別に「他意はないです」という、その静かな反骨な態度に感心させられた。
 店員さんが言うには、忌野清志郎がチェルノブイリの事故を受けて作った歌が収録された『COVERS』というアルバムがあったが、発売元の東芝EMIの親会社である東芝が、「反原発の歌である」として発売させなかったのだ、とのこと。
 福島第一原子力発電所の原発のうち半数は、東芝製であるらしい。

原発賛成音頭 Bye-Bye-Timers
http://www.youtube.com/watch?v=cgTeQpw_tSI



乗ってって下さいよ、近いんで
 郡山市の会社経営者。福島空港の荷物受取所にて。乗り合いタクシーが運行休止しているため、どうしたものかと思案していた冲方に、初対面にもかかわらず話しかけて下さった方がいました。郡山市も決して近いわけではないのですが、ありがたくご厚意に甘えさせていただきました。



地震でビルの中身壊れたんで、銀行さんにあげようかと
 上記の会社経営者。持ちビルを担保に融資を受けていたが、ビルの中身が震災で壊れ、修復する資金もないため、ビルごと銀行に渡すしかないとのこと。「まあ、仕方ない」というあっさりとした一言に、地に足のついた強さを感じさせられました。


 
インドで豆腐売ってます
 上記の会社経営者。その父親について。バブル崩壊後、様々な事業に挑戦したお父様だそうで、事業を息子に譲り、齢六十にして何をするかと思ったら、つぶれた豆腐屋から機械を買い取り、「新天地」を目指して、英語もしゃべれないのにインドに行ってしまったという。
 現地ではなかなか繁盛しているそうです。
 なお、そのお父様は、かつて福島・郡山を洪水が襲ったとき、「ボート屋からモーターボート持ってこさせて、ぶっとばしてました。土嚢つんで配ったり、安否確認したりしてね」とのこと。
 震災が起ころうがなんだろうが、強く生きていく。受け入れて生きていく。それができる人ほど、周りにいる人も強くする。
 はからずしも、元気をいただくことができました。ありがとうございます。
 

2011年4月1日金曜日

☆本日の一言☆

なんでもええから、あたしの韓流ドラマどうしてくれんの
 BS某局にて。災害報道ばかりであることに対し、関西で今、最も多いクレームであるらしい。
 単に「温度差」「不謹慎」ととらえるむきもあるが、むしろ避難した身からすれば最も「ほっとする」一言でもある。今、必要なのは長期化する災害に耐えるための「日常」だ。被災地を離れさえすれば日常がある、ということは大いに希望になる。仕事があって学校があって娯楽があるということが、上記の一言で強く伝わる。そういう場所があるからこそ、支援も復興も可能になる。

 こうした反応こそ、日本が災害に強い証拠なのだと思わされた一言でもある。
 日本は南北に長く、東西は山脈などで隔絶し、複数の細胞が寄り集まったような国だ。ある地方が壊滅しても、他の地方はその余波を免れて生き残る。「切り離し」や「封じ込め」が可能である一方、南北に「すだれ」のように交通網が発達していることから、東西南北への移動が容易である。
 しかも、それらの異なる地域が一つの国として存続するところが、日本の不思議な「強さ」なのだと感じさせられる。諸外国においては、ある地域が壊滅すると、それに便乗して別の地域が独立し、違う国になってしまうことだって考えられる。

 西日本では、多くの人々が自然と「切り離し」を行い、物理的・精神的な衝撃を受けないような姿勢をとっているのではないか。
 無関心が度を超さない限り、それは賢明な姿勢である。今後の復興の主体は東日本だが、下支えとなるのは西日本だ。今、西日本があらゆる面で無傷であろうとし、日常的な生活を保とうとすることは、重要だと思う。

 とはいえ、一時期まことしやかにウワサされた西日本への被災者の大規模な移動が、国や県同士で計画されているという話が聞こえてこない。災害の余波は食い止めるべきだが、今緊急に避難を必要としている人間を食い止めてしまっては日本の強さもへったくれもない。


原発の人たち、クッキーと野菜ジュースだけで働かされてる
 福島の看護士。日に日に改善されているらしいが、労働環境は過酷だ。福島第一原発の現場では、眠るのは建物の床、着替えはなし、飲食は限られた配給。衣食住のない、戦場さながらだ。長期化すると判断された時点で、機材や燃料だけでなく、まず人間が必要とする物資も届けるべきだろう。「もし体力が弱った彼ら同士、病気を感染し合うような状況になったらどうするんだろう」とのこと。


噴火だと思え
 消防士。原発事故の前例がなく、市民の側が危険をイメージしにくいことから、最も似ている災害として「火山の噴火」をたとえに挙げて避難や復興の計画をスムーズにすべきだ、という提言。人の健康や農作物、土壌や水質の汚染といった被害も、火山灰による広域・長期の被害をイメージするとわかりやすい。ベクレルもセシウムも、共通イメージがないことには、意味が浮かんでこない。
 「未知」かつ「不可視」であることによるストレスを緩和する上でも、意外に、効果的かも知れない。


復興のモデルになると思う。良くも悪くも
 記者。 北海道がこれまで経験してきた津波被害と、その後の復興が、東北関東大震災後の復興の最もわかりやすいモデルになるだろうということについて。

 「良い」ところはもちろん取り入れるべきだが、「悪い」面も学ぶべきだろう。

 復興時に巨大なコンクリートの防波堤で島を囲んだことから、まるで中世ヨーロッパの要塞のような景観を呈している場所もあるという。それまでの自然の景観とはかけ離れており、安全面を重視しすぎた結果、生活面・観光面での課題が強く浮かび上がった。

 また、「災害補償」によって多くの家屋が再建されたが、その後、「固定資産税の増大」に直面し、結果的に住むことができなくなって過疎化してしまった町もある。店舗なども同じく補償によって「立派な」建物が建設されたが、「固定資産税の増大」に加え、「客の減少」によって経済的に苦しくなってしまった。

 さらに「復興特需」を当て込んでの、悪質な建築業者の斡旋、企業と町の談合、賄賂等もあり、復興を指導する立場の人間が、賄賂などの罪に問われた局面もあった。

 再建はなされるべきだが、「再建後」のビジョンがないままではいけない。
 復興はなされても維持することが難しく、発展の道が狭まる場合がある。

2011年3月31日木曜日

☆本日のお知らせ☆


冲方丁原作「スプライトシュピーゲル」アワーズでマンガ化
http://natalie.mu/comic/news/47051
 こちらも気づけば発表。
 出版業界も数々の打撃を受けながらも全力で前進中。
 大いに励まされます。がんばれ。がんばろう。


☆本日の一言☆

原発が人類最後の「火」ではないという希望を持つべきだ
 冲方。原子力擁護および脱原発を巡る是非について。
 短期的な脱原発は現実的に不可能だ。今や原発ビジネスは国際的なメインストリームであるという政治的・経済的な判断は脇に置いても、様々な問題に直面するからである。
 まず、いったん建造してしまった原子力発電所を稼働停止させても、かえって安全性が損なわれるという問題がある。また、廃炉を選択したとしても施設を完全に除染・解体するには、一基だけで50年もの作業時間が必要になるという。コンクリートで覆う「石棺」は比較的容易とはいえ、稼働中の50基以上もの施設を同時に廃炉処分にすることは考えにくい。電力確保という問題とは別に、原発は「一度建てたら容易に捨てられない建造物」であることが問題となる。
 大切なのは、こうした「今どうである」ということにとらわれて議論を空転させてはならないということだ。あたかも原子力発電が人類最後でありゆいいつの発電技術であるかのように考える必要はない。求められるのは「原発以上」の優れた発電技術である。
 政府は、今後何十年かは原発に頼ることになる代わり、新エネルギー開発に力を注ぐことを決め、国民に対し「永遠にリスクを背負い続けるわけではない」ことを明言すべきだ。
 原発の数は、国内外で今後とも増えていくだろう。「フクシマ」が最後の原発事故になるとは、誰にも断言できない。国民がそのリスクを正しく知り、新たなエネルギー開発に強い興味を示すことこそ、50年後の新メインストリームの萌芽となる。
 かつて18世紀ヨーロッパでは、大地震による教会の崩落といった事件がきっかけとなって、神が与えた世界の受容という考え方から、大自然を理解し、克服するという考え方へと変わっていったという。そうして今の自然科学思想の原点が築かれたのと同じように、僕たちもまた政治・経済・文化のあらゆる側面から、新たな原点の構築をはかることで、初めて「災後世代」を考えることができるだろう。


よかったです。やっと会えました
 福島県沿岸地域・被災者。地域住民が中心となった捜索活動で、娘の遺体を発見したことについて。「あとは、お母さんとお兄ちゃんだなって、(娘に)話しかけたりしてね」と家族の捜索を続けることを誓ったという。
 原発事故による屋内待避を受けて、福島県の沿岸部などでは捜索が停滞しており、警察や自衛隊、消防隊などが活動しているのかどうかも不明なことが多い。そのため地元住民が自主的に捜索を始めているが、重機がなくガレキが撤去できず、溜まった海水の排出なども行われていないため、難航している。新聞社の報道によれば、今も1900人余の行方不明者の捜索が行われていない。捜索届けが出されていない者をふくめるとその数は数千人にのぼる可能性があるという。
 支援物資も届かぬ地域があり、ようやく復旧のめどがついた東北新幹線でさえ福島市への開通は最も遅れる予定だ。今や当地に施される支援は、原発事故の影響を受けなかった他の被災地に比べ、雲泥の差を呈しつつある。
 

○「戻りたい」「戻ってどうする」
 避難者。福島から移動したものの、交通網の復旧に伴い、当地に戻って何かしなければという気持ちに襲われる者が多い。「被災地に物資を運ぶのではなく、被災者を被災地から出す」ことを主張する冲方も、当然のごとく、心の中では「戻りたい」一心になっている。
 だが、まだ多くの地域が復興以前の「救援」の段階だ。戻ったところで、ただ当地の電気・水・食料を消費し、経済活動が停止した人間を一人増やすだけになる。本当に物資が必要な地域の目の前で、いたずらに物資を消費してしまう。 
 少なくとも、あと数日は待たねばならない。まずはしっかりと県外で体勢を整えて、確実な支援が可能になるよう、新しい生活を手に入れるべきだ。
 理性で感情を抑えつけるのは、本当に苦しい。
 苦しい中で、おのおのが仕事をする。執筆に集中する。試練のときである。
 

2011年3月29日火曜日

【震災に】☆本日のお知らせ☆【負けません】
投稿フォームを変えたら改行できました。


十勝毎日新聞、北海道新聞にて取材を受けました。
下記、十勝毎日新聞、通称「かちまい」さんのHP
http://www.tokachi.co.jp/news/201103/20110327-0008498.php
〆切間際で、掲載されていたことにすら気づかず。我ながら顔が疲れてます。

コミック『天地明察』いよいよスタート!
[天地明察]がマンガ化
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/03/25/021/
気づけば公表されておりました。素材が提供されている。僕もまだ見たことない。見たい!
こうご期待!僕も超期待!



☆本日の一言☆

書く側の人間として、どう思う?
 記者。これだけの災害を経験して、エンターテイメントはどうあるべきなのかということについて。
 僕個人にとって、今回の震災は、巨大な主題と発見と課題そのものです。未来と現実と過去が容赦なく問われ、しばらくは問われっぱなしになるだろうと思われます。
 国としては負の遺産であり、県や市としては試練であり、個人としては経済的損失にうんざりし、一人の人間としては悲しみでいっぱいです。
 けれども、作家としては必ずこの災害を財産にしなければと思っております。どんな形で財産になるのかは、まだわかりません。ただ、どんな悲痛も人間は乗り越えていけると信じています。

 ただ、「こういうときこそ」というのは、だんだんと実感がわかなくなってきています。どんなときであっても、やるべきことは変わらない。精一杯、人生を生きる。その延長線上に、たまたま幸いなことに、僕には執筆という生活の「かて」があり、その幸運に感謝しております。感謝するなら、裏切ってはいけない。倒れるまで書くし、倒れたなら起き上がるために書きます。

 事態は最悪、体の調子も疲れすぎていて最低、でもモチベーションは最高に高まっている、そんな次第です。
☆本日の一言☆

OH,FUKUSHIMA!!
 アメリカの人。福島市在住であることについて、早くも「あのフクシマですか」という感じで驚かれるようになってしまった。
 いまや世界で最も有名な都市の一つとなっており、県では大規模な観光キャンペーンが準備されていた矢先であったことから、非常に複雑な気持ちにさせられる。「ヒロシマ」「ナガサキ」のように、力あるメッセージを発することができる都市になれるかどうかが、まさに「被災中」の今このときから、否応なく問われ始めている。


プロがいない災害
 冲方をふくむ地方避難者。今震災の実感である。「地震・津波・原発事故」のトリプル・ハザード、「物資欠乏・電力不足・風評被害」のトリプル・パニック、「生産・流通・消費」のトリプル・ダウン。
 これらが複合的に発生することを前提とした研究も訓練も行われたことがなく、これほどの未知の状況に対して総合的な判断を下せる人物など、そもそもいるわけがない。
 毎日のようにリアルタイムで対処法を「発明」しなければならない有様であり、一人一人が独自に判断し、行動し、情報を解釈し続けることが必要となっている。
 こういうとき、「指示に従うことは必要だが、いつまで経っても下されない指示を待ち続けることは危険に結びつく可能性がある」というのが、個人的な教訓である。 

2011年3月24日木曜日

☆本日の一言☆

ぶっ書いた!
 冲方。書けました! 『光圀伝』第4話、約140枚! 今晩中にゲラ作業だ。あらゆるフォローをして下さった編集さんに感謝です! 震災に負けるな! 水もガソリンもなく家を追い出された怒りは全部原稿にぶつける! 今こそ気力をみなぎらせろ!


FUKUSHIMA 50
http://ja.wikipedia.org/wiki/Fukushima_50
http://media.yucasee.jp/posts/index/7009
 放水を敢行した消防隊員のようなわかりやすい活躍の絵はありません。しかし、今最も危険な場所から撤退せず、国と電力会社のツケを一身に背負って尽力している人たちではないでしょうか。
 その「FACELESS」な無名の英雄たちを、平和になったら絶対に書きたい。小説でもなんでもいい。文字にして二十年後の子供に読ませたい。そう思わされました。


やっぱり天罰だと思う
 石原慎太郎。
 「@asahi_kantei 朝日新聞官邸クラブ
副長官番A)節電の要請に訪れた蓮舫・節電啓発担当相と会談した石原都知事。会談後に「震災への日本国民の対応をどう評価するか」と質問したところ、石原さんは「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」と述べました」

 色々な意味で唖然となった一言。
 何より、かつて彼が都知事選に初出馬した頃のキレがまったく見られない。
 マスメディアは最も簡明な「一言」に焦点を当て、視聴者はその要点を受け取る。前後でいかに異なる文脈が存在しようと、ある一瞬だけが切り出されて世に広まる。たとえ「差別をなくそう」、という趣旨であったとしても、実際に差別主義者の文言を引用しただけで、全体が非難されるべき対象になる。それゆえ「放送コード」があることを、この上なく熟知している政治家だったはずである。
 マスメディアの力学を知り尽くし、ぎりぎりの「暴言」を駆使する。衆目を集め、「対立」や「対立する可能性のある話題」について苛烈な発言をして火に油を注ぎ、誰の目にも対立をはっきりさせたところで、多数者側もしくは有力者側を巧みに擁護し、支持を確保する
 言論を用いた支持者層拡大の見事さに、十年前は、大いに感嘆させられたものである。
 今は、一般市民の目線を忘れた「ズレ」が目立ちすぎる。特定の政治家や市民団体や富裕層の存在ばかり前提にしすぎていて、ごく一般的な解釈をする市民の感覚に訴える発言がなさすぎる。
 その後の謝罪も、消防隊員へのお涙つきコメントも、いかにもイメージ挽回の印象が強い。何より石原都知事自身が、全然乗り気になっていない。彼に影響力を発揮できる人物たちの要請や命令でやむなくやっているというのが伝わってくる。「キレ」があった頃の彼には考えられないことである。
 これでは過去何人もの「すげかえ首相」と同様の、その場しのぎの人気看板登壇と何も変わらない。
 「自己実現」を目指して政治家になった一作家の老境にして最後の見せ場。もう少し、希望を抱かせて欲しいが、最近はだいぶ諦めの気持ちが強い。


青少年保護条例は天下り先を作るためにどうしても必要だった
 関係者。いつの間にか、公然の秘密のように流布されるようになった一言。
 警視庁をふくむ人員配置のための機関設置を目的とした条例であり、要は天下り機関を作る必要に迫られていたのだという。
 真実か否か定かではないが、「青少年保護」のためのメディア検査機関が取り沙汰されるなど、あからさまに本当っぽい動きが見られるようになってきて、だんだんげんなりしてきた。
 原子炉の検査機関に、穀物関税の仕事をしていた人が、天下りとして平然と配置されたりする。専門知識が皆無のままハンコを押すだけの検査官がぞろぞろいる。だんだんと、 「検査官」すなわち「天下り」であり、「素人」である、という印象さえ持つようになってくる。
 公務員も人の子、家族の主。仕事を手に入れ、大いに稼がないといけないのはわかる。だが大丈夫なのか、そんな国で。単純にそう思う。

2011年3月20日日曜日

○産経「被曝覚悟の350メートル」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110320/dst11032001230006-n1.htm

 危険を熟知した方々の恐怖心はいかほどであったかと思います。勇敢で冷静な消防隊員の方々に心より御礼申し上げます。



○産経「募金活動中の高校生殴り募金箱奪う 千葉・松戸」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110319/crm11031920050003-n1.htm

 詐欺や強奪の対策など、義援金を(1)集め、(2)保管し、(3)送金し、(4)現地でちゃんと被災地復興に役立てられているか確認する、というプロセスには、想像以上の労力が必要となります。
 募金活動をする場合は、未成年者だけで行動せず、必ず保護者とともに、できるだけ治安の良い場所で行いましょう。
 また、募金に応じる場合は、自分がちゃんと身元の確かな人や組織にお金を渡しているか、何度も確かめましょう。

2011年3月19日土曜日

【ご報告】
・北海道十勝の池田に到着しました。ネット環境等も確保し、ようやく体勢を整えることができています。
・どれだけの長期戦になるか分かりませんが、出来る限り平常に戻り、出来る限り被災地を支援し、出来る限り執筆に励みたいと思います。
・〆切は21日。間に合ってくれ。


【東京にいる人たちが、なんだか、おかしくなっている】
・ようやく落ち着いて連絡が取れるようになりましたが、東京にいる人たちの精神状態のおかしさに面食らいました。
 情報がなかったので、まさか東京都にも壮絶な被害が出たのか? と思いそうになりましたが、どう考えても全然大丈夫です。電力不足による混乱や事故は怖そうですが、それ以外に何か困っていることはありますか? と、五日弱かけて600㎞を移動したばかりのこちらが、東京にいる人たちを心配してしまうという変な構図です。

・当然ですが、過去数日、このブログに載せた情報は、数日間のみ有効です。今の状況の参考になるかもしれませんが、「冲方と同じルートを通れば大丈夫」ではありません。現地の情報を見て聞いて調べて確認して判断して動いて下さい。
 ましてや、

 東京・埼玉の人間が、北海道に避難する必要は全然ありません。
 
 あまりに東京にいる人たちが焦ったり疲弊したりしているので、てっきり空路や道路交通網が遮断されてしまったのかと勘違いしそうになりました。
 南にいくらでも行けるではありませんか。わざわざ雪で途絶するかもしれないルートを辿る必要はまったくありません。
 
・どうやら東京は、情報という、目に見えないツナミに襲われ続けたご様子。
 ですがこれは、スイッチ一つで遮断できるツナミです。なのに、なぜ、いつまでも情報の洪水につきあい続けるのか。
 理由は、何が「必要」なのか、自分は「どうすべき」なのか、わからなくなってしまい、何も決定できなくなっているせいで、いつまでも不必要な「情報の買い占め」をし続けている、というふうに、こちらからは思えます。
 そしてそのせいで、必要な情報を効果的に伝達する人がいる一方、「情報の正否」に馬鹿みたいにこだわり、かえって優先順位をちぐはぐにする人もいる。
 
・「籠城」の用意よりも、「移住」の用意を
 大勢がコンビニの乾燥食品を買い漁る一方、築地では生魚が売れず、放置したりゴミ箱に捨てたりしているとのこと。
 もし災害に備えたいのであれば、まず今ある食べ物の中で、最も新鮮で栄養価の高いものを摂取すべきでしょう。
 といいつつ、もし僕が東京にいたら、同じように行動していたかもしれませんが。

 今回の経験で、「一週間分の水と食料」の備蓄など、もはや備蓄と呼ぶに値しないことを痛感しました。最低でも一ヶ月間はライフラインに頼らずにいられるだけの物品がないと意味がありません。そして、そんな物品を一家庭が貯蔵しておくくらいなら、ライフラインが豊富な場所に、第二第三の住居を用意しておくほうが経済的であり効果的です。

 もし本当に、「東京も危なくなる可能性がある」と思っているなら、いつでも移住できるよう、過疎化で値が下がりまくった地方のセカンドハウスを購入するなどしておくしかありません。
 あるいは全国および海外のマンスリーマンション等、長期滞在可能な場所を把握しまくるしかありません。
 いざ災害が起こったとき、最もつらいのは、災害が起こった地域やその隣接地域に居続けることだからです。


・「仕事が手につかない」という人の中に、「今の自分の仕事に価値を感じられなくなった」という人がいます。メディア業界、エンターテイメント業界には、特に多いようです。
 こんな史上初の大災害が起こったのだから、衝撃を受けても当然でしょう。しばらくは「不謹慎」なのか「必要」なのかの判断が微妙になると思います。
 こうしたことは全て、自分の中の価値観をとらえなおす好機にするしかない。感傷的になるのは、人生の優先順位を再検討してからでいい。
 
 
・とりあえず。
 僕は、あと四十八時間、ほとんど持ってくることができなかった少ない史料を頼りに、最後まであきらめず、〆切と格闘します。
 それが、僕が社会に参加する上で自分で決めた職務であり、人生だからです。

 それに、今、がんばって稼がないと。人を支援するにも、福島に戻るにも、戻ってからも、お金かかりますし。
 
 東京にいる人たちも、心を病んだりしないよう、まず自分に優しく、そして人にも優しく、心身の健康を保って、何ができるかを今後長いこと考えていけるよう、がんばっておのおのの仕事に励んで下さい。

 一緒にがんばりましょう。

2011年3月18日金曜日

【現在、効果的な物資を送る方法】

「郵便」扱いの品なら届きます
 郵便局が、最も早く回復しました。
 「郵便扱い」のレターパック等であれば、早ければ翌日には被災地およびその周辺に届きます。
 現在、どのメディアでもほとんど紹介されていませんが、今のところ最も効果的な支援物資の送達手段です。
 組織的な物資運搬が本格化するまであと数日、最も簡便な支援方法として、すでにお気づきの方も多いです。
 
○もらって助かるもの
 ・ウィダーインゼリー系の「水分をふくんだ食べ物」
 ・チョコレートなど「高カロリーで糖分が豊富なもの」
 ・その他の乾パンなど。
 ・漬け物など「保存ができてミネラルが豊富なもの」
 ・現金
 ・キャッシュカード
 ・ビタミン剤など

 本来ならば郵便で送るべきものではありませんが、今は、この手段しかないという地域が多数あります。

○もらっても困るもの
 ・米や麺類(調理に水が必要。断水地域では食べようがありません)
 ・調味料が強すぎて、のどが渇くもの。(ポテトチップなど)
 

2011年3月17日木曜日

○物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」(5)

「移動」する人の心理状態の補足です。
 冲方は当初、「移動」には大反対でした。状況を否認していたのだから当然です。しかもガソリンがないので、移動手段がないということが心に重くのしかかっていました。移動したいと主張する奥さんに対し、動くべきでない根拠を山ほど並べ立てたあげく、結局は、奥さんの意見で、動くべきであるという判断に傾きました。

 冲方に限らず、家を守るという気持ちが強い人は動かず「待機」するほうを選びがちのようです。
 一方で、子供や自分より弱い存在を守るという気持ちが強い人は、たとえば「子供だけでも確実に安全な場所へ移動させる」ことを選びがちです。
 今回の場合、奥さんの「子供が病気になってもここでは何も出来ない」といった意見がきっかけで「移動」を決めました。
 自力で動けない子供を「移動させる」のが夫婦共通の動機となり、家を出ることになりました。

 その後のルート選びなども、「子供をつれて可能か」というのが基本になっていたように思います。
 男の考えでは選ばないことが多く、奥さんの判断がルート選びのほとんどの根拠になりました。それも、このままでは「子供が心配」という動機が重要だったように思います。 
 自力で動けない存在がいることで、より確実で安心するルートを選ぶことに奥さんがエネルギーを注ぎ、その結果、判明した情報が多々ありました。そして、より多くの選択肢を手に入れることにつながりました。
 移動手段・宿泊施設の選択なども、子供の安全を確保するために、奥さんが相当に知恵を絞ったところがあります。大人一人だけでは気づかないことが非常に多かったです。
 
 これらのことから、以下の点が「移動」では重要であると思いました。
1)家族同士、意見が対立するからと言って尻込みせず、徹底的に意見を戦わせること。
2)「子供」は「老人」や「障害者」にも当てはまることから、移動能力の低い存在を理由に「動けない」と判断するのではなく、どうやって動くかと知恵を絞ることで、選択肢は増えるということ。
3)ガソリンや支援物資をないことを理由に「動けない」と判断するのではなく、知恵を絞ることで、これまた選択肢は増えるということ。


 これから空路で移動です。本当に「移動」を選択して正しかったか、これから多くのことを考えたいと思います。
 とともに、一日も早く、仕事に復帰し、生活を整え、家族が平常に過ごせる状況を求め、誰かを支援できる側になりたいと思います。
  
【物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」】(1)~(3)まとめ


※以下は、冲方が福島から出て移動した際、関係各社に一斉送信したメールの一部を抜粋して順番にまとめたものです。
※ブログ内タグ「物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」」(1)~(3)を読みやすいよう時間順に並べ直し、新しい情報をもとに加筆修正したものです。

※内容は以下の通りです。
(1)なぜ「移動」すべきか。「移動」する人をどう助けるか。
(2)重要な「天候の情報」。「移動」する人の心理状況。
(3)冲方がとった具体的なルートと、必要だった金額と日数。



物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」(1)
送信日:3月15日

以下、あくまで私見ですが、ぜひ向こう数日間から一週間ほどの間、
皆様にご検討していただければと思うことを記します。

●被災地に「物資を運ぶ」のではなく、「被災者を被災地の外へ出す」ことに、
時間と金銭を使うことを考えて下さい。
 
今回の災害において最も重要なのは、迅速な被災地からの脱出であることを思い知りました。

阪神大震災以降の災害対策の基本姿勢は、被災者が被災地付近にとどまり、
ライフラインの復旧と支援物資の到着を待つ「待機」です。
救助隊の原則も、人が避難所に「待機」していることを前提としております。

しかし今回のような、「広域かつ深刻な、複数の異なる未経験の災害が、短時間で連続し、
さらには繰り返し継続的に起こり続けた」場合、
被害の全体的な実態すら曖昧なため、支援は予想以上に遅れ、現地の状況悪化は急速に進みます。

また、「被ばくする」という風評被害により、肝心の支援物資を輸送する車両が被災地を目前にして引き返すというようなことも起こっております。

災害時に最も有効なのは「待機」することだと考える方も多いでしょうが、
いったん「待機」すれば「移動」は刻一刻と困難になるばかりか、
現地で健康を保つ手段が驚くほど急速に失われてゆきます。

そのため、いかにしてライフラインが保たれている場所へ、
一刻も早く「移動」するかが重要でした。


●ぜひご支援可能な方々には、被災地およびライフラインを失った方々へ、
1)安全な移動場所とルートを調べ、教えてあげる。
2)移動手段を調べ、与えてあげる
(列車・航空・高速バスの空席確認や予約やキャンセル等を代わりに行う)
3)移動後の宿泊場所を調べ、教えるOR用意してあげる
(ホテル等の空き室確認や予約やキャンセル等を代わりに行う)

ぜひ、これらの補助を行うことをご検討していただければと思います。

移動中の人々と根気強く連絡を取り合える時間的余裕がない場合も、
1)の、付近の地域や、そのときのニュースの報道内容を伝えるだけでも助かります。

移動が必要なとき、インターネットで確認する余裕はありません。
電話で問い合わせても、いつの間にか状況が変わっている可能性があります。

逆にライフラインが確保された場所に移動しさえすれば、
水も食料も通信手段も生活場所も、自力で探すことが可能になります。

被災地から車で一時間移動しただけで、一挙に状況が好転することが多いです。

●また、道路状況は二転三転しますので、念のためチケットなど予約を入れ、
状況に合わせてキャンセルしていく、ということも多くなります。
そう言う際は、「せっかく予約してあげたのに」と考えるのではなく、
「選択肢をそれだけ多く用意してあげられた」と考えてあげて下さい。

なお、いたずらに予約することで窓口をふさぎ、結果的に他の人の移動手段を阻んでしまう、
という可能性もあります。しかし、「移動」は一日から数日ほどの短期間で済みますので、
キャンセル待ちをすることで次々に別の人が予約できます。
大事なのは「必要なルートは確実に予約し」「いらなくなったルートは確実にキャンセルする」ことです。


●現在、宮城・福島から、米沢・山形へ移動することさえできれば、
通信は回復し、水・食料があり、病院やコンビニは一部を除いて利用可能で、
酒田・新潟・秋田などに到達することが必要になりますが、
タクシー・レンタカー・電車・飛行機・バスによる各地送迎が可能となります。
羽越本線・上越新幹線・高速バスが生きており、日本を南北に移動することができます。
北海道へも大阪へも移動できます。
少なくとも明日明後日は十分に可能です。

しかし向こう数日で、物資不足・移動不能になる地域が、
宮城・福島の西側の県境から、一挙に日本海側の他県へ広がっていくと思われます。
そうなってしまっては、移動困難な地域がますます広がるでしょう。

明日から、酒田および一部の宮城県の港から、ガソリンの供給が試みられるそうです。
「だから待機するべき」ではなく、「だから移動するべき」と考えたほうが良いでしょう。

たとえ夜間であっても、
1)あらかじめ目的地の宿を確保した上で、
2)運転に慣れた各地のタクシーをあらかじめ電話予約し、
3)一時間程度の距離を進むたび予約しておいた現地タクシーに乗り換え、
ピストン輸送してもらうなどして目的地まで「移動」する。
これならガソリン不足を気にして長距離を嫌がる現地のタクシーも対応してくれますし、
常に現地の地理に慣れた運転手がいることでいざというときに困ることが少なくなります。

これが最善である可能性が高い、と言うことをご報告させていただきます。

●住んでいた場所を離れることは大半の方々にとって心理的苦痛を伴いますし、
安全な場所にいる者も、むやみと「移動」を勧めてよいものか迷うため、
様々な言い分を立てては、「待機」を選びます。

しかし被災者や、その周辺地域に住む者が、一人でも多く、長くとどまるほど、
その後の救助の労力は増えます。水・食料・ガソリン等は到底、間に合わなくなります。
ライフラインが回復するまで待機する、ではなく、
ライフラインが回復するまで別の場所に行っている、とするべきでしょう。

実際にライフラインが回復したとき、被災地やその付近で待機していた期間が一日でも長いほど、
病人やけが人が増加・深刻化する可能性があり、
現地で消費されたため改めて支援されねばならない物資は増え、
溜まった汚物等を洗浄したりするための水なども、余計に多く必要になります。

もちろん実際に移動するかどうかは現地にいる人々の判断次第ですが、
移動するための情報があるのとないのとでは心理的に天と地です。
「チケットをとってあげるから」「二時間並べばバスに乗れるから」と言われて動く気になる人もいます。

また、現地にいる人々の努力だけでは情報は手に入らず、
より状況が悪い場所へ移動してしまう可能性もあり、そのせいで「待機」を選んでしまいます。
「どこどこは水がないから行くな」「どこどこは電話で確認したところ水道が生きている」といった
情報だけでも、移動する気力につながります。

●太平洋側一帯に親戚・知人友人がおられる方は、出来る限り「移動」を勧め、
ナビを助けてあげて下さい。
また、「確実な移動手段」を、今のところは個別に教えてあげて下さい。
組織的に行うのは現時点では無理ですし、変化する状況に追いつけません。
「このサイトを調べればいいよ」「県庁に情報提供したよ」といった
漠然とした指示や行為は、あまり効果がありません。


●なお、組織的な発表や支援は、しばらくは期待できません。
支援に来られる自衛隊などプロの方々は、もちろん頼りとすべき存在です。
しかし彼らは一様に、避難者の「待機」や「救出」を大前提として訓練されています。
訓練された以上のことは彼らにはできませんし、被災者の健康保全などは無理です。
何より、現在の状況は、彼らが経験した訓練の「想定外」であるということを、ぜひ知っておいて下さい。

「こんなこと誰も経験したことがない。その場その場で対応していくしかない」と、
米沢のホテル関係者が言っておりましたが、至言だと感じました。
ガソリンを積んだタンクローリーに警察が付き添う光景など、
誰が想像できたでしょうか。


物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」(2)
送信日:3月16日

●先日お送りしたご報告につきまして、付加すべき重要な点が二つあります。

1)「現地の天候」
現在、日本海側に雪が多く、道路・電車・空港で足止めを食う可能性があります。
移動中、天候のことは失念しがちですが、非常に重要です。
もし被災地の方と連絡する場合、当日・翌日の天気予報の最新情報を共有してあげて下さい。


2)「疲労は想像以上に早い」
先の見えない「移動」も「待機」も、驚くほど急激に体力・気力を奪います。
とにかく「移動」時は距離と時間を稼ぎたがって無理をしがちになりますが、
なるべく頻繁に宿を探して休息を取るよう勧めてあげて下さい。

逆に、「待機」時は、疲れているからじっとしていたくなりますが、結局は
ライフラインが確保されていない場所でじっとすることほど疲れることはありません。
いずれ疲労がピークに達して病気になります。むしろそれ以上、疲れないよう、
どうにか「移動」の手段がないか考えねばなりません。


3)「不特定多数を助けない」
誰かを「移動」させるためのナビや補助は、まず「親戚友人知人」に特定して下さい。
数人単位で迅速に判断し、動いていくことで可能なことが多く、不特定多数の方に対し、
同時かつ平等に有効な手だては、今のところ、ほとんどないと思って下さい。
逆に、集団が移動し始めた途端、様々なものが不足し、全員同時に動けなくなることが多いです。


●ご参考までに、移動中の心理状態について経験を二点ご報告します。
1)現状の「否認」
ものの本にしばしば書かれている災害時の心理状態ですが、
まさか自分がなるとは想像もしていませんでした。
「大丈夫、安心すべき、じっとするべき、何もするべきでない、心配ない」
といった現実の拒否です。
要は「どうなるかわからないから移動したくない」です。
この心理に引きずられないようにするのは、けっこうな精神力を使います。
具体的にどうフォローされれば良いのか僕も分かりませんが、
移動中、しばしばそういう心理状態になるということを知っておいていただければと思います。


2)錯誤の多発
おそろしく単純なことが瞬間的に分からなくなります。
これも、災害関係の書籍に見られる事例ですが、まさか自分がそうなるとは思わなかったことです。

たとえば僕の場合、エレベーターの「開」「閉」のボタンのどれが何だか本当にわからなくなりました。
ホテルでは「220」がいったい何を意味する記号か、立ち止まって考えてしまいました。
取り出したばかりの財布を、どのポケットに戻せば良いのか分からなくなりました。
これは人によって全然違うようです。
落ち着いてゆっくり考えれば、自然といつもの判断が戻ってきます。

単に焦っているのではなく、日頃とは脳の使い方が全然違っている感じです。
緊張下で様々なことを考え続けるうちに、日常的な判断力が逆に鈍ってゆきます。
ですので、誰かから「チケットなど大事なものを置き忘れていないか」
といった軽い確認やフォローをしてもらえるだけで、かなり助かります。



物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」(3)
送信日:3月16日

 ※大人二人・子供一人・自家用車なし、という条件で、
 1)福島県福島市から新潟市まで、十万円と二日~三日間。
 2)新潟から北海道(関東・関西)まで、十万円と一日~二日間。
 もしかするとこれが一つの目安になるかもしれません。
 より「安く・短く」することが、個人においても行政においても課題になると思います。

 内訳は下記です。
 ※福島から新潟まで移動する間、約二日間と十万円を費やしました。
 うち最も多い現金決済は、タクシー代総額の六万五千円強、飲み物や食べ物の五千円強。
 それ以外は、今後の飛行機代やホテル代もふくめ、カード決済です。
 ※新潟から北海道まで移動する間、飛行機代が八万円弱、宿代が二泊で五万円強、時間は一日半の予定。
 ※車と飛行機などの移動が自然と最も高くつきます。逆に、いったん移動すれば、高額のホテルしか
空いていないというのでない限り、大幅な出費は考えなくともよくなるということでもあります。


「移動ルート」
○14日ルート決定
 ※情報等のご支援により数時間でルート決定できました。
 BETTER ルート1)福島→米沢→山形→酒田→新潟
 BEST  ルート2)福島→米沢→坂町→新潟
 ※とにかく新潟を第一次目標としました。
 ※あらかじめタクシー会社に移動可能距離を問い合わせ、米沢なら可能とのことでした。
※米沢に着いてから、どのルートが可能か確認することにしました。
 ※米沢のホテルを探し、三日分予約しました。

○14日深夜午前0時 出発 福島からタクシーで米沢へ
 ※僕、家内、四歳の長男が、トランク二つ、バッグ二つに荷物を詰めて移動しました。

○15日午前1時半頃 米沢に到着
 ※深夜ですがあらかじめホテルに連絡していたためすぐにチェックインできました。
 ※震災被害がほとんどないことを確認しました。
 ※水道と電気が生きていることを確認しました。
 ※車で一時間ほど移動しただけでライフラインが画然と違うことを確認しました。

 ※休眠してのち、終日、情報収集と今後のルート確認に費やしました。
 ※レンタカーはのきなみ使えないことを確認しました。
※ガソリンを筆頭に物資が急速に不足していることを確認しました。
※物資不足でコンビニが閉店する前に、急いでATMで金銭を確保しました。
 ※コンビニが昼過ぎには閉店するなど、じきに米沢周辺も深刻な物資不足になることが
 予想されました。
 ※各都市のホテル・駅等に連絡し、
BETTER ルート1)福島→米沢→山形→酒田→新潟
が可能であることを確認しました。移動手段は、
 米沢→山形 タクシーで可能とのこと
 山形→酒田 高速バス 一日三百人ほど並んでいるが乗れなくはないとのこと
 酒田→新潟 羽越本線が運行中
とのことでした。

※現在、ガソリンの供給ルートとして、
北海道から酒田へ運ばれていることを確認しました。
これにより、それぞれ親族等のいる関東・関西・北海道のうち、
母と妹夫婦がいる北海道を最終目的地とすることを検討しました。
現地の状況を母と電話で確認すると、
「震災前と何も変わらず、物資の買い占めなどは全く起こっていない」とのこと。
これにより北海道へ行くことが最善と判断しました。

 ※我が家が米沢に到着した後、次々に各地から移動してきた人がホテルを訪れました。
 ガソリン切れで移動不能になった人々も多かったようです。

※ANAのHPを照会し、空席を確認。
即、新潟空港から北海道千歳行きのエアチケットを予約。
その後数時間もしないうちにHPでは「二日後まで空席なし」となりました。
ギリギリで購入できました。

※夕方になり降雪が始まり、雪で道路が断たれるかも知れないという可能性に直面しました。
とともに、以下の指針を立てました。
:「どこで足止めされても良いよう、通過する都市全てのホテルを予約する」
:「現地や交通状況などは、一度ではなく何度も、複数の人や機関に問い合わせる」
 :「いったん決めたルートに固執しない」

 ※一晩中、「本当にこれで良いのか」「家に戻るべきではないか」という考えに襲われました。
 被災時の、いわゆる「状況の否認」が自分の心に起こっていたことを初めて実感しました。
「大丈夫だ、何も起こらない、安全だ、動かないほうがいい、じっと休んで回復に専念すべきだ」
などと、心が現実を拒否し始めており、
この「動かないほうがいい」という考えに従うことが、逆に最も危険なのだと実感しました。
 実際は、物資が不足し始めている街で、めども立たないまま、じっとしているわけにはいきません。
 翌日、雪が積もらないことを祈るばかりでした。

○16日午前10時 出発
 ※積雪は大したことはありませんでしたが、降雪の多さに焦慮しました。
 万一、雪によって道をふさがれたら、行くも戻るも不可能になります。
 除雪車がガソリン不足で動かない、という事態を想像してぞっとしました。

 ※朝食後、ルートを再確認し、ホテルのフロントを通して出発の一時間前にタクシーを予約し、
あらかじめ行き先を相談することで燃料が豊富な車両を回してもらえるようにしました。

 ※タクシーの運転手と相談すると、「新潟でガソリンが補給できるから行ける」となりました。
 米坂線の運休とレンタカーが使えないことから断念していた、
 BEST ルート2)福島→米沢→坂町→新潟
 が可能であることから、新潟行きを頼みました。

 ※前日に予約した宿は全てキャンセルしました。
 宿によってはキャンセル料は請求しませんと言ってくれました。
 楽天などによってカードで予約してしまうと自動的にキャンセル料が発生しますので、
 電話により口頭で予約する、もしくは現地で現金決済、が最も融通が利きます。

 ※タクシーの車内で、携帯電話で新潟の宿を予約しました。

 ※降雪がひどく、途上、二度も、横転して救助を待つ車を見ました。
 ※移動は、夜間よりも降雪時のほうが危険です。
 現地の運転に慣れたタクシー運転手でない限り、雪の中で運転すべきではありません。

 ※数時間かけて山形県境を越え、新潟県に入った途端、状況が好転しました。
 ガソリンスタンドは通常通り営業していました。
 複数のタンクローリーが山形・福島・宮城方面へ移動するのを見ました。
 物資の買い占め等は全く起こっていないということでした。

 ※午後、新潟市のホテルに到着しました。
 ※各地から到着した人々がロビーにちらほら見えました。

 ※夕方から、新潟市内のコンビニが混雑していたことを確認しましたが、
これは物資不足が原因ではなく「計画停電」に備えようという動きでした。
 ※また、品不足でホテルのコンビニが閉店していましたが、買い占めが原因ではなく、
 商品が輸送されず、自然となくなってしまったとのことです。

 ※今はまだまだ物資が豊富ですが、続々と、酒田・新潟方面に向かって避難者が
増加しておりますので、物資不足が広がることが予想されます。
 やはり移動できる人は、今の内に移動すること、
そして、「駅や空港などにアクセス可能な都市にいつまでも滞在しないこと」をお勧めします。
 迅速に移動し、ホテルの部屋などを空けることが、次に来る人たちのライフラインを
 確保することにつながります。

 


●個人的に希望していること
 以下は、今、個人的にこうあって欲しいという願望です。
 結局は、ただの愚痴かも知れませんので、あまり転載などしないほうが良いかも知れません。

1)「物資輸送トラックは被災地で荷物を下ろして空になったら、現地にいる人間を積んで帰る」
現在、物資を輸送しているトラックによって、希望する被災者を、
ライフラインが確保された場所まで運ぶ。
道交法上の問題もあるでしょうし、過酷な移動になりますが、
もはや人間を物のように運ばねば、健康保全が間に合わない人々がいます。

2)「義援金をホテルとタクシー代に充てる」
向こう一週間ほどは、義援金を、物資輸送等だけでなく、
「被災地に近隣する都市、駅や空港付近の都市などの
 タクシーとホテル代に充てて、被災者が低額で利用できるようにする」ことで、
相当数の人が助かるはずです。

3)「首都圏や関西以南などにいる人々の、海外旅行の奨励」
 一時的に一般市民の人口が少なくなればなるほど、物資の面での回復が容易になるのは過去の災害事例から明らかです。
 特に、物資の買い占めなどに走るだけの経済力を持つ方々には、そのお金を義援金に回すのでない限り、
ぜひ海外旅行に費やしてしばらく帰って来ないでいただきたい。
そうすることで国内の食料や電力消費等を軽減できるはずです。
 連休などを利用して、ぜひ、近隣の韓国や香港やシンガポール、あるいはタヒチやバリなど、
安全で物資が豊富な国へ、バカンスなどに行っていただきたい。
国外へ出ることで、より客観性の高いニュースにもふれることができるでしょう。
 不謹慎なようですが、そもそも数日程度しか保たないような物資の買い占めなど無駄であり、
そんなことをするくらいなら他国に長期滞在してもらうほうがいい。
【物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」】(3)

皆様へ

引き続き冲方です。
●下記、先日のご報告とあわせて、ご参考になるかどうか分かりませんが、
我が家がとった移動ルート等を列挙します。


長文ですので、必要のない方はスルーして下さい。


先に、結論ですが、
 ※大人二人・子供一人・自家用車なし、という条件で、
1)福島県福島市から新潟市まで、十万円と二日~三日間。
 2)新潟から北海道(関東・関西)まで、十万円と一日~二日間。
 もしかするとこれが一つの目安になるかもしれません。
 より「安く・短く」することが、個人においても行政においても課題になると思います。

内訳は下記です。
※福島から新潟まで移動する間、約二日間と十万円を費やしました。
 うち最も多い現金決済は、タクシー代総額の六万五千円強、飲み物や食べ物の五千円強。
 それ以外は、今後の飛行機代やホテル代もふくめ、カード決済です。
 ※新潟から北海道まで移動する間、飛行機代が八万円弱、宿代が二泊で五万円強、時間は一日半の予定。
 ※車と飛行機などの移動が自然と最も高くつきます。逆に、いったん移動すれば、高額のホテルしか
空いていないというのでない限り、大幅な出費は考えなくともよくなるということでもあります。


「移動ルート」
○14日ルート決定
 ※情報等のご支援により数時間でルート決定できました。
 BETTER ルート1)福島→米沢→山形→酒田→新潟
 BEST  ルート2)福島→米沢→坂町→新潟
 ※とにかく新潟を第一次目標としました。
 ※あらかじめタクシー会社に移動可能距離を問い合わせ、米沢なら可能とのことでした。
※米沢に着いてから、どのルートが可能か確認することにしました。
 ※米沢のホテルを探し、三日分予約しました。

○14日深夜午前0時 出発 福島からタクシーで米沢へ
 ※僕、家内、四歳の長男が、トランク二つ、バッグ二つに荷物を詰めて移動しました。

○15日午前1時半頃 米沢に到着
 ※深夜ですがあらかじめホテルに連絡していたためすぐにチェックインできました。
 ※震災被害がほとんどないことを確認しました。
 ※水道と電気が生きていることを確認しました。
 ※車で一時間ほど移動しただけでライフラインが画然と違うことを確認しました。

 ※休眠してのち、終日、情報収集と今後のルート確認に費やしました。
 ※レンタカーはのきなみ使えないことを確認しました。
※ガソリンを筆頭に物資が急速に不足していることを確認しました。
※物資不足でコンビニが閉店する前に、急いでATMで金銭を確保しました。
 ※コンビニが昼過ぎには閉店するなど、じきに米沢周辺も深刻な物資不足になることが
 予想されました。
 ※各都市のホテル・駅等に連絡し、
BETTER ルート1)福島→米沢→山形→酒田→新潟
が可能であることを確認しました。移動手段は、
 米沢→山形 タクシーで可能とのこと
 山形→酒田 高速バス 一日三百人ほど並んでいるが乗れなくはないとのこと
 酒田→新潟 羽越本線が運行中
とのことでした。

※現在、ガソリンの供給ルートとして、
北海道から酒田へ運ばれていることを確認しました。
これにより、それぞれ親族等のいる関東・関西・北海道のうち、
母と妹夫婦がいる北海道を最終目的地とすることを検討しました。
現地の状況を母と電話で確認すると、
「震災前と何も変わらず、物資の買い占めなどは全く起こっていない」とのこと。
これにより北海道へ行くことが最善と判断しました。

 ※我が家が米沢に到着した後、次々に各地から移動してきた人がホテルを訪れました。
 ガソリン切れで移動不能になった人々も多かったようです。

※ANAのHPを照会し、空席を確認。
即、新潟空港から北海道千歳行きのエアチケットを予約。
その後数時間もしないうちにHPでは「二日後まで空席なし」となりました。
ギリギリで購入できました。

※夕方になり降雪が始まり、雪で道路が断たれるかも知れないという可能性に直面しました。
とともに、以下の指針を立てました。
:「どこで足止めされても良いよう、通過する都市全てのホテルを予約する」
:「現地や交通状況などは、一度ではなく何度も、複数の人や機関に問い合わせる」
 :「いったん決めたルートに固執しない」

 ※一晩中、「本当にこれで良いのか」「家に戻るべきではないか」という考えに襲われました。
 被災時の、いわゆる「状況の否認」が自分の心に起こっていたことを初めて実感しました。
「大丈夫だ、何も起こらない、安全だ、動かないほうがいい、じっと休んで回復に専念すべきだ」
などと、心が現実を拒否し始めており、
この「動かないほうがいい」という考えに従うことが、逆に最も危険なのだと実感しました。
 実際は、物資が不足し始めている街で、めども立たないまま、じっとしているわけにはいきません。
 翌日、雪が積もらないことを祈るばかりでした。

○16日午前10時 出発
 ※積雪は大したことはありませんでしたが、降雪の多さに焦慮しました。
 万一、雪によって道をふさがれたら、行くも戻るも不可能になります。
 除雪車がガソリン不足で動かない、という事態を想像してぞっとしました。

 ※朝食後、ルートを再確認し、ホテルのフロントを通して出発の一時間前にタクシーを予約し、
あらかじめ行き先を相談することで燃料が豊富な車両を回してもらえるようにしました。

 ※タクシーの運転手と相談すると、「新潟でガソリンが補給できるから行ける」となりました。
 米坂線の運休とレンタカーが使えないことから断念していた、
 BEST ルート2)福島→米沢→坂町→新潟
 が可能であることから、新潟行きを頼みました。

 ※前日に予約した宿は全てキャンセルしました。
 宿によってはキャンセル料は請求しませんと言ってくれました。
 楽天などによってカードで予約してしまうと自動的にキャンセル料が発生しますので、
 電話により口頭で予約する、もしくは現地で現金決済、が最も融通が利きます。

 ※タクシーの車内で、携帯電話で新潟の宿を予約しました。

 ※降雪がひどく、途上、二度も、横転して救助を待つ車を見ました。
 ※移動は、夜間よりも降雪時のほうが危険です。
 現地の運転に慣れたタクシー運転手でない限り、雪の中で運転すべきではありません。

 ※数時間かけて山形県境を越え、新潟県に入った途端、状況が好転しました。
 ガソリンスタンドは通常通り営業していました。
 複数のタンクローリーが山形・福島・宮城方面へ移動するのを見ました。
 物資の買い占め等は全く起こっていないということでした。

 ※午後、新潟市のホテルに到着しました。
 ※各地から到着した人々がロビーにちらほら見えました。

 ※夕方から、新潟市内のコンビニが混雑していたことを確認しましたが、
これは物資不足が原因ではなく「計画停電」に備えようという動きでした。
 ※また、品不足でホテルのコンビニが閉店していましたが、買い占めが原因ではなく、
 商品が輸送されず、自然となくなってしまったとのことです。

 ※今はまだまだ物資が豊富ですが、続々と、酒田・新潟方面に向かって避難者が
増加しておりますので、物資不足が広がることが予想されます。
 やはり移動できる人は、今の内に移動すること、
そして、「駅や空港などにアクセス可能な都市にいつまでも滞在しないこと」をお勧めします。
 迅速に移動し、ホテルの部屋などを空けることが、次に来る人たちのライフラインを
 確保することにつながります。

 


●個人的に希望していること
 以下は、今、個人的にこうあって欲しいという願望です。
 結局は、ただの愚痴かも知れませんので、あまり転載などしないほうが良いかも知れません。

1)「物資輸送トラックは被災地で荷物を下ろして空になったら、現地にいる人間を積んで帰る」
現在、物資を輸送しているトラックによって、希望する被災者を、
ライフラインが確保された場所まで運ぶ。
道交法上の問題もあるでしょうし、過酷な移動になりますが、
もはや人間を物のように運ばねば、健康保全が間に合わない人々がいます。

2)「義援金をホテルとタクシー代に充てる」
向こう一週間ほどは、義援金を、物資輸送等だけでなく、
「被災地に近隣する都市、駅や空港付近の都市などの
 タクシーとホテル代に充てて、被災者が低額で利用できるようにする」ことで、
相当数の人が助かるはずです。

3)「首都圏や関西以南などにいる人々の、海外旅行の奨励」
 一時的に一般市民の人口が少なくなればなるほど、物資の面での回復が容易になるのは過去の災害事例から明らかです。
 特に、物資の買い占めなどに走るだけの経済力を持つ方々には、そのお金を義援金に回すのでない限り、
ぜひ海外旅行に費やしてしばらく帰って来ないでいただきたい。
そうすることで国内の食料や電力消費等を軽減できるはずです。
 連休などを利用して、ぜひ、近隣の韓国や香港やシンガポール、あるいはタヒチやバリなど、
安全で物資が豊富な国へ、バカンスなどに行っていただきたい。
国外へ出ることで、より客観性の高いニュースにもふれることができるでしょう。
 不謹慎なようですが、そもそも数日程度しか保たないような物資の買い占めなど無駄であり、
そんなことをするくらいなら他国に長期滞在してもらうほうがいい。


 もしご参考になれば幸いです。
冲方丁拝
【物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」】(2)

皆様

無事、新潟に到着しました。
明日、新潟空港から北海道千歳へ移動し、
母と妹夫婦のいる池田という街で体勢を整えることに決めました。

現在、ガソリン等の物資が、北海道から酒田市などへ運ばれているようで、
ライフラインや食料等が長期的に確保され続けるだろう、と判断してのことです。
また、今後の移動において、国内だけでなく国外も視野に入れられるからです。

上手くいけば、執筆に復帰したり、人を支援できる側に回れそうです。

受け入れ先を準備して下さった方々、励ましの言葉をお送り下さった方々、
本当にありがとうございます。
どうか引き続き、助けの手を求めている方々に、その手を差し伸べてあげて下さい。
あるいは、これから僕らが親戚知人を「移動」させる上で、
改めてご相談させていただくこともあるかもしれません。
そのときは、あくまでできる範囲で、ご協力していただければ幸いです。

本当に本当にありがとうございます。


以下、移動中に経験した事柄です。もしご参考にしたい方がいらっしゃいましたら、
ご自由に転送等して下さい。


●先日お送りしたご報告につきまして、付加すべき重要な点が二つあります。

1)「現地の天候」
現在、日本海側に雪が多く、道路・電車・空港で足止めを食う可能性があります。
移動中、天候のことは失念しがちですが、非常に重要です。
もし被災地の方と連絡する場合、当日・翌日の天気予報の最新情報を共有してあげて下さい。


2)「疲労は想像以上に早い」
先の見えない「移動」も「待機」も、驚くほど急激に体力・気力を奪います。
とにかく「移動」時は距離と時間を稼ぎたがって無理をしがちになりますが、
なるべく頻繁に宿を探して休息を取るよう勧めてあげて下さい。

逆に、「待機」時は、疲れているからじっとしていたくなりますが、結局は
ライフラインが確保されていない場所でじっとすることほど疲れることはありません。
いずれ疲労がピークに達して病気になります。むしろそれ以上、疲れないよう、
どうにか「移動」の手段がないか考えねばなりません。


3)「不特定多数を助けない」
誰かを「移動」させるためのナビや補助は、まず「親戚友人知人」に特定して下さい。
数人単位で迅速に判断し、動いていくことで可能なことが多く、不特定多数の方に対し、
同時かつ平等に有効な手だては、今のところ、ほとんどないと思って下さい。
逆に、集団が移動し始めた途端、様々なものが不足し、全員同時に動けなくなることが多いです。


●ご参考までに、移動中の心理状態について経験を二点ご報告します。
1)現状の「否認」
ものの本にしばしば書かれている災害時の心理状態ですが、
まさか自分がなるとは想像もしていませんでした。
「大丈夫、安心すべき、じっとするべき、何もするべきでない、心配ない」
といった現実の拒否です。
要は「どうなるかわからないから移動したくない」です。
この心理に引きずられないようにするのは、けっこうな精神力を使います。
具体的にどうフォローされれば良いのか僕も分かりませんが、
移動中、しばしばそういう心理状態になるということを知っておいていただければと思います。


2)錯誤の多発
おそろしく単純なことが瞬間的に分からなくなります。
これも、災害関係の書籍に見られる事例ですが、まさか自分がそうなるとは思わなかったことです。

たとえば僕の場合、エレベーターの「開」「閉」のボタンのどれが何だか本当にわからなくなりました。
ホテルでは「220」がいったい何を意味する記号か、立ち止まって考えてしまいました。
取り出したばかりの財布を、どのポケットに戻せば良いのか分からなくなりました。
これは人によって全然違うようです。
落ち着いてゆっくり考えれば、自然といつもの判断が戻ってきます。

単に焦っているのではなく、日頃とは脳の使い方が全然違っている感じです。
緊張下で様々なことを考え続けるうちに、日常的な判断力が逆に鈍ってゆきます。
ですので、誰かから「チケットなど大事なものを置き忘れていないか」
といった軽い確認やフォローをしてもらえるだけで、かなり助かります。


 冲方丁拝
【物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」】(1)


皆様へ
簡便を優先し一斉送信をさせていただいております。

ご支援、情報提供等ありがとうございます。
現在、福島を離れて米沢に移動しました。
その後の移動手段・道路状況等は刻一刻と変化しておりますが、
お陰様で向こう三日ほどの光明は見えております。本当に感謝しております。

以下、あくまで私見ですが、ぜひ向こう数日間から一週間ほどの間、
皆様にご検討していただければと思うことを記します。

●被災地に「物資を運ぶ」のではなく、「被災者を被災地の外へ出す」ことに、
時間と金銭を使うことを考えて下さい。
 
今回の災害において最も重要なのは、迅速な被災地からの脱出であることを思い知りました。

阪神大震災以降の災害対策の基本姿勢は、被災者が被災地付近にとどまり、
ライフラインの復旧と支援物資の到着を待つ「待機」です。
救助隊の原則も、人が避難所に「待機」していることを前提としております。

しかし今回のような、「広域かつ深刻な、複数の異なる未経験の災害が、短時間で連続し、
さらには繰り返し継続的に起こり続けた」場合、
被害の全体的な実態すら曖昧なため、支援は予想以上に遅れ、現地の状況悪化は急速に進みます。

だからこそ「待機」すべきだと考える方も多いでしょうが、
いったん「待機」すれば「移動」は刻一刻と困難になるばかりか、
現地で健康を保つ手段が驚くほど急速に失われてゆきます。

そのため、いかにしてライフラインが保たれている場所へ、
一刻も早く「移動」するかが重要でした。


●ぜひご支援可能な方々には、被災地およびライフラインを失った方々へ、
1) 安全な移動場所とルートを調べ、教えてあげる。
2) 移動手段を調べ、与えてあげる
(列車・航空・高速バスの空席確認や予約やキャンセル等を代わりに行う)
3) 移動後の宿泊場所を調べ、教えるOR用意してあげる
(ホテル等の空き室確認や予約やキャンセル等を代わりに行う)

ぜひ、これらの補助を行うことをご検討していただければと思います。

移動中の人々と根気強く連絡を取り合える時間的余裕がない場合も、
1)の、付近の地域や、そのときのニュースの報道内容を伝えるだけでも助かります。

移動が必要なとき、インターネットで確認する余裕はありません。
電話で問い合わせても、いつの間にか状況が変わっている可能性があります。

逆にライフラインが確保された場所に移動しさえすれば、
水も食料も通信手段も生活場所も、自力で探すことが可能になります。

被災地から車で一時間移動しただけで、一挙に状況が好転することが多いです。

●また、道路状況は二転三転しますので、念のためチケットなど予約を入れ、
状況に合わせてキャンセルしていく、ということも多くなります。
そう言う際は、「せっかく予約してあげたのに」と考えるのではなく、
「選択肢をそれだけ多く用意してあげられた」と考えてあげて下さい。

なお、いたずらに予約することで窓口をふさぎ、結果的に他の人の移動手段を阻んでしまう、
という可能性もあります。しかし、「移動」は一日から数日ほどの短期間で済みますので、
キャンセル待ちをすることで次々に別の人が予約できます。
大事なのは「必要なルートは確実に予約し」「いらなくなったルートは確実にキャンセルする」ことです。


●現在、宮城・福島から、米沢・山形へ移動することさえできれば、
通信は回復し、水・食料があり、病院やコンビニは一部を除いて利用可能で、
酒田・新潟・秋田などに到達することが必要になりますが、
タクシー・レンタカー・電車・飛行機・バスによる各地送迎が可能となります。
羽越本線・上越新幹線・高速バスが生きており、日本を南北に移動することができます。
北海道へも大阪へも移動できます。
少なくとも明日明後日は十分に可能です。

あるいは、福島原発のニュースのお陰で、福島空港発の各便がキャンセルになっています。
迅速に移動できるならば、福島空港に隙間があります。

しかし向こう数日で、物資不足・移動不能になる地域が、
宮城・福島の西側の県境から、一挙に日本海側の他県へ広がっていくと思われます。
そうなってしまっては、移動困難な地域がますます広がるでしょう。

明日から、酒田および一部の宮城県の港から、ガソリンの供給が試みられるそうです。
「だから待機するべき」ではなく、「だから移動するべき」と考えたほうが良いでしょう。

たとえ夜間であっても、
1)あらかじめ目的地の宿を確保した上で、
2)運転に慣れた各地のタクシーをあらかじめ電話予約し、
3)一時間程度の距離を進むたび予約しておいた現地タクシーに乗り換え、
ピストン輸送してもらうなどして目的地まで「移動」する。
これならガソリン不足を気にして長距離を嫌がる現地のタクシーも対応してくれますし、
常に現地の地理に慣れた運転手がいることでいざというときに困ることが少なくなります。

これが最善である可能性が高い、と言うことをご報告させていただきます。

●住んでいた場所を離れることは大半の方々にとって心理的苦痛を伴いますし、
安全な場所にいる者も、むやみと「移動」を勧めてよいものか迷うため、
様々な言い分を立てては、「待機」を選びます。

しかし被災者や、その周辺地域に住む者が、一人でも多く、長くとどまるほど、
その後の救災の労力は増えます。水・食料・ガソリン等は到底、間に合わなくなります。
ライフラインが回復するまで待機する、ではなく、
ライフラインが回復するまで別の場所に行っている、とするべきでしょう。

実際にライフラインが回復したとき、被災地やその付近で待機していた期間が一日でも長いほど、
病人やけが人が増加・深刻化する可能性があり、
現地で消費されたため改めて支援されねばならない物資は増え、
溜まった汚物等を洗浄したりするための水なども、余計に多く必要になります。

もちろん実際に移動するかどうかは現地にいる人々の判断次第ですが、
移動するための情報があるのとないのとでは心理的に天と地です。
「チケットをとってあげるから」「二時間並べばバスに乗れるから」と言われて動く気になる人もいます。

また、現地にいる人々の努力だけでは情報は手に入らず、
より状況が悪い場所へ移動してしまう可能性もあり、そのせいで「待機」を選んでしまいます。
「どこどこは水がないから行くな」「どこどこは電話で確認したところ水道が生きている」といった
情報だけでも、移動する気力につながります。

●太平洋側一帯に親戚・知人友人がおられる方は、出来る限り「移動」を勧め、
ナビを助けてあげて下さい。
また、「確実な移動手段」を、今のところは個別に教えてあげて下さい。
組織的に行うのは現時点では無理ですし、変化する状況に追いつけません。し、
「このサイトで調べればいいよ」「県庁に情報提供したよ」といった
漠然とした指示や行為は、あまり効果がありません。


●なお、組織的な発表や支援は、しばらくは期待できません。
支援に来られる自衛隊などプロの方々は、もちろん頼りとすべき存在です。
しかし彼らは一様に、避難者の「待機」や「救出」を大前提として訓練されています。
訓練された以上のことは彼らにはできませんし、被災者の健康保全などは無理です。
何より、現在の状況は、彼らが経験した訓練の「想定外」であるということを、ぜひ知っておいて下さい。

「こんなこと誰も経験したことがない。その場その場で対応していくしかない」と、
米沢のホテル関係者が言っておりましたが、至言だと感じました。
ガソリンを積んだタンクローリーに警察が付き添う光景など、誰が想像できたでしょうか。


※我が家への支援は、しばらく必要なさそうです。
重ねて、ご支援下さった方々に深く感謝申し上げます。

冲方丁拝

2011年3月2日水曜日

※本日のお知らせ※


第二回「OPEN-冲方」IN阿佐ヶ谷ロフト、無事開催終了。
 ご来場いただきました皆様に大感謝です。
 スランプ冲方、初の公開土下座でございました。
 プレゼントを下さった方々、ありがとうございます!
 ケーキは打ち上げの席でスタッフ一同、美味しくいただきました。

 スランプ脱出当日に書いた『光圀伝 第三話』は、角川書店【野性時代】にて掲載です!


3月5日 福島県・フォーラム福島にて舞台挨拶をします。
 『マルドゥック・スクランブル第1部圧縮』上映初日3月5日の13時より舞台挨拶。
 前売り券1400円。
 登壇 冲方丁/原作者・脚本  中西豪/プロデューサー
 ※初日のみ、招待券および割引券はお使いになれませんのでご注意下さい。

 フォーラム福島 http://www.forum-movie.net/fukushima/

 

2011年2月9日水曜日

【いつの間に】本日のお知らせ【二月になったのだ】


「天地明察」映画化 監督決定
「おくりびと」で09年にアカデミー賞外国語映画賞を獲得した滝田洋二郎監督が映画化!
http://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/news/p-et-tp1-20110204-732773.html
http://news.tv-asahi.co.jp/ann/geinou/geinou_news/contents/hot_20110204_050.html
http://www.oricon.co.jp/news/movie/84520/full/

 驚くほどエネルギッシュで真摯な方でした。いつの間にか冲方の講演中、客席の後方で柱の陰からこちらを見ていたというチェックぶりに喫驚。怖いよ!誰か事前に教えてください!原作へのアプローチの仕方など、出版前に聞いて小説に反映したかったというネタが山ほど。今から制作がとっても楽しみです。


第二回「OPEN-冲方」
@ubukata_summit 冲方サミット
【残席あと僅か】
「OPEN-冲方」第二回の開催が決定!今回のテーマは『天地明察・光圀伝』
2月26日OPEN17:00 / START18:00前売¥2,500(飲食代別)
前売りは2月5日AM10時よりローソンチケットにて発売中【Lコード:36823】 #ubukata


2/27放映 NHK「MAG・ネット」にて
「マルドゥック・スクランブル劇場版」について取材されました。
http://www.nhk.or.jp/magnet/index.html
普通はお断りする、アニメの制作会議の風景なども撮影されたりしました。ディレクターをはじめスタッフの方々の熱心さがひしひしと伝わる取材でした。



☆本日の一言☆

ヅラ作りますよ
 滝田監督。映画「天地明察」撮影の際、原作者を画面(の隅)に写したりしてみましょうか、ということについて。カツラ一つ作る上で欠かせない職人技のお話など、それだけでもやってみたいと思わせる面白さでした。チョンマゲ冲方が出現する・・・かも?(゜Д、゜)


これ以上、「天地明察の冲方」にはさせない
 ハヤカワ。滝田監督のお名前を聞いて一言。「マルドゥック・アノニマス」の前に、マルドゥック関係の短編を収録した短編集を出す予定です。間に合え俺の精神力(゜Д、゜)


ツンデレ光圀を、兄が攻略するルート
 スニーカー担当。これから掲載される「光圀伝」第二話の原稿について。よもやそういう読まれ方をするとは予想谷というやつでございます。


ニュータイプで「光圀伝」連載して、イラストは女体化すればいいんだよ
 メディア局次長。そんな上司で大丈夫か? きっと大丈夫だ、問題ない(゜Д、゜)

2011年1月1日土曜日

※あけまして!(゜Д、゜)※


あけましておめでとうございます!

今年は正月早々から人生最大の過密スケジュール。
トップギアで走り抜けたいと思います。

どうぞ本年も宜しくお願いいたします。
冲方丁拝