2017年2月6日月曜日

本棚ご紹介

【冲方丁のつくりかた お試しブログ版 その1】
前回のサミットにて企画総選挙第三位となった「本棚紹介ネタ」を、お試しブログ版としてやってみることにしました。

おびただしいまでの資料の山が日常的に来ては去る執筆の現場で、過去20年にわたり本棚に残り続けた、本、CD、DVD、画集などを、不定期にご紹介。

第一弾は、題して「始まりの本」

トップバッターは、インタビューなどでしょっちゅう口にしている、これ。
『デイリーコンサイス和英英和辞典』(1980年版)



幼・少年期に父の仕事の都合で海外に暮らしていた際、娯楽品がなかなか手に入らない生活で、ほぼ「読書」として辞書のページをめくっていました。
インターナショナル・スクールに通う上での必需品でしたが、いつしか英語と日本語の比較、言葉と言葉のつながり、一つの意味が別の意味を生み出す言葉の不思議など、「言葉への興味」をかき立てられた一冊。

画像はその辞書で、もうぼろぼろ。これが、とある記事で紹介された2009年、発行元の三省堂さんが、当時最新の『デイリーコンサイス和英英和辞典 第七版』を贈って下さいました。
おかげさまで、今も変わらず「愛読書」となっております。



二つ目は、デビュー以来、最高の教科書として読み続けている本。
『神話の力』



デビューした1996年、自分のよりどころとなる「何か」を求めてのたうち回っていた時期、スティーブン・キング風にいえば「かがやき(シャイニング)」のように突如として現れ、進むべき「どこか」を示唆してくれた一冊。
年を経るごとに理解が増し、今なお自分の背骨となってくれている本です。

あまりにしょっちゅうインタビューなどで紹介し続けたせいか、最新文庫版では解説を書かせて頂くことに(おお、まったく恐れ多い)。
キャンベルの研究は、数々の学問や芸術に影響を与え、身近なところでは、『スター・ウォーズ』やディズニー映画の物語群に多大なインスピレーションとノウハウをもたらしたといいます。
おそらく二十世紀を代表する本の一つとして残り続けるでしょう。

今読むなら、下記の本とあわせて読むのがお勧め。
『千の顔をもつ英雄』 上下
『サピエンス全史』 上下

人類はいかにして「想像力」を手に入れ、その恩恵の輝きと、呪縛の闇の中で暮らしてきたか。
今ここにいる我々が、至福を追及する上で知っておくべき「物語」とは何か、といったことが、余さず語られています。