2014年7月17日木曜日

☆本日のお話・二次創作について考えた③☆

 いろいろと書いて参りましたが、重要なのは冲方とその共同広告ユニオンである冲方サミットが今後どうしていきたいかということに尽きます。

 結論から申し上げれば。
①二次創作を全面解禁する。
②ひいてはメディアミックス作品のどれもが一次創作であると明確にすることでトラブルの種を一掃する。
③サミットの大命題であるユーザーとの距離をいっそう縮めるべく、ともに作品を盛り上げて下さるファングループを募り、優先的に作品のリリースをご提供できるようにする。
④一次創作者も二次創作者も全てのユーザーも、海賊版や違法ダウンロードや不適切な中古販売といった、業界を消耗させるしろものの規制や抑制をはかっていく。
 これらをどうにかして実現したい所存。


【①について:最初の一歩としての二次創作全面解禁】

 まず二次創作について、可能な限り契約書の発行といった法務をなくし、利用規約に基づく活動を全て自動的に許諾するかたちをとる。

 そのための主な規約は、下記を主眼とする。
1)許諾する一次創作作品を限定し、所定のサイトもしくは発行物において発表します。
2)二次創作者は、二次創作作品の冒頭(表紙、紹介文第一行、冒頭部分、その他最初に目にする場所)に、『これは○○(許諾された一次作品タイトル・発行・著作者)の二次創作です』と、一次創作作品との関連について、誰もが見て取れるかたちで明記する。
3)一次創作者への許諾の対価は「一次創作作品のソースの拡散」とみなし、それ以外の対価は要求されない。
4)上記をまっとうしないものを二次創作とみなさず海賊版として扱う。

 さらに、二次創作者に、下記二点を定める。
5)二次創作作品の製作・販売・配布・上映等に伴う責任は、全て二次創作者が負う。
6)二次創作作品の著作権は、二次創作者に帰属し、そのいかなる利益も許諾する。

 つまり、二次創作によって利益や評価を得ることを認めるだけでなく、「新人賞への応募」なども許諾するということです。

 たとえば、規約を守っている限り、冲方が書いた短編小説を用いてスピンアウトを作ったり、そのまんま忠実に漫画化したりし、さらにその原稿を用いて出版社などが主催する新人賞に応募しても良い、ということです。

  受賞させるかどうかは、出版社次第。「話を作れるかどうかわからないが漫画は上手い」とか、「文章に魅力がある」といったことを見て取った編集者が応募者とコンタクトを取っても、冲方サイドにいちいち確認する必要はありません。
 ただしご連絡があれば色々とお仕事のお話ができますし、推薦コメントくらいは書きます。

 また、そのまま受賞作を連載したいという場合は、発行媒体が「出版社公認の同人誌」といったしろものでない限り、一次創作作品との契約と対価のやり取りが必要となりますので、関係者の承諾のもと、改めてメディアミックスとしての契約を交わすことになるでしょう。
 その際、この作品のこの部分はこういうタイミングで発表するので……云々といった情報交換をすることで、効果的な宣伝をはかることもできます。

 むろん『二次創作である』ことを明記しないものは、全てこれ海賊版とみなして対処をいたします。
 
 これは、「大事な表現の場だから」「二次創作を黙認しているのは宣伝になるから」「二次創作は人材育成に必要だから」という、しばしば語られるエクスキューズを、思い切り公的なものにすることで、さらに公的にいろいろとできるようにするのが目的です。

「表現の場」であるならちゃんと整備し、「宣伝になる」のであれば積極的に活用すべきで、「人材育成」になるのであれば、きちんと称揚し、プロとしての道のりや心構えを身につける気がある人には、それらを正しく教えるべきなのです。
 
 同人誌市場がこれほど巨大になったにもかかわらず、「同人誌大賞」といった称揚のための仕組みがまったく存在せず、ただただ放置して誰がどんな利益を得ているのかわからないというのは、「人材育成」という点からすれば、なんとももったいないのです。


【②について:メディアミックスは一次創作】
 
 また、メディアミックスを二次創作の延長とみなす考え方をやめる必要があります。
 契約を交わし、原作使用料という正当な対価を支払っている限り、それらは独立した一次作品なのです。
 一次作品であるのだから、メディアミックスのさらなるスピンアウトといった作品づくりを用意にするための交通整理をしっかりやる。

 ちなみに原作よりメディアミックスやスピンアウトの方が名が残ることはしばしばあります。古くはロバート・ブロックの小説の例があり、彼の名は驚くほど日本で知られていませんが、ヒッチコックに原作を提供した人です。
 原作とあれやこれやが違うにもかかわらず話題になって非常に悔しい、というなら頑張るしかない。そういう態度でいいのではないでしょうか。そうでないと、訳のわからないブレーキがかかって途方もない労力が無駄に消えていくばかりです。

 むろん原作重視のメディアミックスの場合、原作者が書いたにもかかわらず原作と違うといって脚本を突っ返される場合もあります。この場合、原作者は原作者ではなく、脚本家として企画に参加している一個人に過ぎないのです。


【③について:ファングループの形成】

 特定の登録サイトなどを設置し、義務づけは難しいでしょうが、可能な限り、二次創作者の方々に登録していただく。
 こちらも誰がどんなことをしているかを把握できますし、誰がどんなことをしていようと彼らの責任だという態度でいられますし、会社のみならず官憲が動くような馬鹿げた事態になればすぐに対応できます。
 さらには、登録していただいた方々へ優先的にリリースを提供したり、特典として配布されるような設定や資料集などをお配りすることが出来ます。

 これも「宣伝」や「人材育成」への積極的な態度になります。


【④について:海賊版や違法行為を浮き彫りにする】

 ①②③を繰り返しトライし続けることで、海賊版、違法ダウンロード、集団窃盗による中古販売など、業界を消耗させることはなはだしい悪質な行為の規制と抑制を、みんなで目指すことができます。

 国内だけでなく、海外のサイトで勝手に登録されていたり、あり得ないコピー品が売られていたりしても、きちんと無視をしましょう、と呼び掛けてゆく。
 そんなものを許していては、新しくより良い作品が作られることを妨げることになるのだと業界のみならずユーザーの間でも共通了解としていけるのではないでしょうか。


【補足:二次創作とはみなされないもの】

 なお、様々な点から二次創作としては認められないものもあります。

・学校教材や試験問題などの出版における引用や問題集作りといった利用。
・演劇化。
・図書館などにおける、点字訳、朗読、音訳CDといった利用。
・雑誌やサイトなどへの転載。
・多言語への翻訳。
・これらに類する利用。

 これらを創作と定義することはできませんので、現時点では、個別に許諾してゆきます。
 

※ご指摘があったことから追記します
 なお、Kindleをはじめ電子書籍の普及に伴い、「朗読出版」が今後、より一般化してゆくことから、視覚障害者の方への出版物・朗読作品が本格的に商品化される見込みですでの、今は一概に許諾できない状況にあります。点字訳は元来、法的に認められてはいるものの、商品化が一般化されることに伴う改正を視野に入れざるを得ない状況ですし、翻訳の範疇ですので、二次創作に関する議論においては除外させていただきます。
 また、演劇は著作権上、いまだ明文化されていない、あるいは著作物として認められないことがらが多く、現状では二次創作の範疇から除外せざるを得ないことをご了承下さい。


【引き続きサミットで発表して参ります】

 以上です。
 実現した際には、冲方サミットのHPやイベントを通して告知して参ります。

 
 
「一分でわかる冲方作品動画」の募集とグランプリ賞につきましても、改めて告知させていただきます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。