2011年3月17日木曜日

○物資を「運ぶ」のではなく被災者を被災地の「外に出す」(5)

「移動」する人の心理状態の補足です。
 冲方は当初、「移動」には大反対でした。状況を否認していたのだから当然です。しかもガソリンがないので、移動手段がないということが心に重くのしかかっていました。移動したいと主張する奥さんに対し、動くべきでない根拠を山ほど並べ立てたあげく、結局は、奥さんの意見で、動くべきであるという判断に傾きました。

 冲方に限らず、家を守るという気持ちが強い人は動かず「待機」するほうを選びがちのようです。
 一方で、子供や自分より弱い存在を守るという気持ちが強い人は、たとえば「子供だけでも確実に安全な場所へ移動させる」ことを選びがちです。
 今回の場合、奥さんの「子供が病気になってもここでは何も出来ない」といった意見がきっかけで「移動」を決めました。
 自力で動けない子供を「移動させる」のが夫婦共通の動機となり、家を出ることになりました。

 その後のルート選びなども、「子供をつれて可能か」というのが基本になっていたように思います。
 男の考えでは選ばないことが多く、奥さんの判断がルート選びのほとんどの根拠になりました。それも、このままでは「子供が心配」という動機が重要だったように思います。 
 自力で動けない存在がいることで、より確実で安心するルートを選ぶことに奥さんがエネルギーを注ぎ、その結果、判明した情報が多々ありました。そして、より多くの選択肢を手に入れることにつながりました。
 移動手段・宿泊施設の選択なども、子供の安全を確保するために、奥さんが相当に知恵を絞ったところがあります。大人一人だけでは気づかないことが非常に多かったです。
 
 これらのことから、以下の点が「移動」では重要であると思いました。
1)家族同士、意見が対立するからと言って尻込みせず、徹底的に意見を戦わせること。
2)「子供」は「老人」や「障害者」にも当てはまることから、移動能力の低い存在を理由に「動けない」と判断するのではなく、どうやって動くかと知恵を絞ることで、選択肢は増えるということ。
3)ガソリンや支援物資をないことを理由に「動けない」と判断するのではなく、知恵を絞ることで、これまた選択肢は増えるということ。


 これから空路で移動です。本当に「移動」を選択して正しかったか、これから多くのことを考えたいと思います。
 とともに、一日も早く、仕事に復帰し、生活を整え、家族が平常に過ごせる状況を求め、誰かを支援できる側になりたいと思います。