2009年11月29日日曜日

※本日の一言と記事※




その手があったか
 編集。『天地明察』のカバー・デザインを見て一言。極端なまでのシンプルさ、高い密度のデザイン。時代小説としても、いわゆるハードカバー全般においても、なかなかない特異な仕上がりの一冊となった、とのこと。帯も普通は使用しない若葉色の風合いであり、これが意外なほど、しっくり馴染んでいる。担当編集とデザイナーの渾身の力作に大感謝である。


さすがに気持ち上乗せしました
 角川書籍編集。『天地明察』のカバー・デザインおよび帯デザインを創案するまで多大な労力を要したことから、ギャラを上乗せしたという一言。決定寸前に至ってなお、比較検討のために「三パターン追加」、「コピー差し替え」など、大いにやらかしたらしい。


『明天察地』?
 嫁。中央の北斗七星の並びに従ってタイトルを読んだとのこと。そんな読み方をするのは貴様だけである。



ちっくしょう負けた
 角川書籍編集。『天地明察』の帯のコピーに、自分が考案したものではなく、書店さんの感想をそのまま採用したことについて。「これ以上のコピーはない」とのこと。冲方自身も、ちょっとこれはやられたと思った超剛「直」球である。大垣書店四条店の北住さんには多謝である。


ハグしてきました
 角川書籍担当。『天地明察』の帯コピーの原文を書いていただいた書店員さんとお会いした際の行動について。敗北を認めてこその成長である。



三百年以上も前の人が、本当に『勇気百倍』って言ったんですか?
 ライター陣。インタビューにおいて大てい聞かれることであるが、冲方と担当編集者が調べた限り、史実である。アンパ○マンのキャッチフレーズかと見紛うばかりで、冲方も本文に採用すべきか、しこたま迷った。いったいどのような当社比の百倍なのか調べても分からなかった。


カレンダー眺めて「これが日本の宗教だ!」と思う高校生って、だよ
 ライター。冲方が16歳のとき、『天地明察』の主人公・渋川春海について調べたきっかけについて。






みんな、「自分だけが面白いと思ってる」と思ってた
 角川編集。『天地明察』の連載前の編集者たちの心持ちについて。


みんな、「これを面白いと思うのは自分だけだ」と本気で思ってる
 角川編集。『天地明察』のプルーフ(書店用原稿)に対する書店さんの反響について。


正直、「これを面白いと思うのは自分だけだ」と思ってました
 冲方丁。『天地明察』の連載中のぶっちゃけ話にて。


みんな誰もが一生に一度は、『お前しかいない』と言われる機会にぶつかってる。そのときの経験が、渋川春海への個人的な感情移入のもとになってる
 角川編集。なんで「みんな自分だけがこの作品を好きだと思ってる」という状況が生まれるのかについて。



※※『天地明察』明日11/30発売※※
 渋川春海とは、冲方が16歳のときに出会った歴史上の人物であり、こうして一冊の本にするまでに実質16年かかった相手である。一度は徳間書店のSF誌で長めの短編『日本改暦事情』として書いたが、歴史を小説にすることのハードルの高さを前にして棒立ちという感じだった。今ようやくここまで書けた。どうしたらもっと書けるようになるだろうと思うと、またもや棒立ちである。これからの16年で答えを出すしかない。
 なお、歴史時代小説の最も面白いところは、校正・校閲において「根拠は?」の文字が大連発するところにある。安易な創作は連載・出版以前に激しく叩きのめされる。そうした「事実は小説よりも奇なり」とされる事柄に対し、それでもなお、いかにして「小説は事実よりも真実なり」を示すか。そういう真剣勝負を味わえる。そんな醍醐味を、今後も、しかと追い求めてゆく所存です。


デビューして13年かけてやっと作家になれました
 冲方丁。『天地明察』出版について、野性時代誌におけるインタビューにて。紛れもない実感であり、生まれて初めて名刺に「作家」と肩書きをつけた。


怒らないから入れて下さい
 角川書籍担当。冲方が「名刺に『作家』って入れてもいいですか」と訊いたことに対して。


面白いこと言うとブログに載っちゃいますよ
 ライター。『ダ・ヴィンチ』編集者に対して、冲方との会話について。


ああ、またしてもブログに貢献してしまうなんて
 スニーカー担当。面白いことを言ってしまった反省の一言。